大ヒット中の映画アクアマン、最寄りの映画館では何故か、上映しないんですか?というアンケートにだが断ると返していたため車で片道一時間以上かけて観にいきました。
ジャスティスリーグ以来のジェイソン・モモアが演じるアクアマンことアーサー。見た目からして海どころか陸上でも勝てる相手がほぼいなさそうな立派な体格の主人公です。
ジャスティスリーグ(以下JL)では仲良くしたいけどうまくできないナイーブな内面がちょこっと出て来たアーサー。そんな彼の生い立ちから原作で「なんであんなに頭デカイの? 」「土偶じゃん」と言われている人気ヴィランまで全部見せてくれました。
アクアマンは予告では、スピード感のある海中シーンや見ごたえあるアクション、ファンタジックな生き物が出てくる「ははーん、今はやりの金かけた大ヒット間違いなしのやつね。」という印象を抱くのですが、観おわってからは想像の数倍「えらいもの観てしまった。」という感想が出てくる映画でした。
アクアマンのすごいところ「油断すると爆破」
アクアマンは、アーサーのお父さんとお母さんのなれそめや、二人がいかに愛し合っていたかということも語られています。
そして、彼を信頼してやってきた王女メラとのラブストーリーもあります。
アクション映画でそれを語ろうとすると、どうしても「動」の中に「静」の雰囲気が必要になります。
この時間のさじ加減に寄って、「いつまでこれ観なきゃいけないの? 」という時間を感じることがあるのですが、アクアマンは観客が油断をした瞬間に爆発が起きます。
主人公たちも「今良い雰囲気だな……。」と感じた瞬間に必ず敵の邪魔が入って強制アクションシーンになるのです。まるでラブコメディの主人公とヒロインがくっつきそうになると必ず邪魔が入るようないいタイミングでくるのです。
このまったり→爆破→アクションの流れが繰り返されることになり、最後の最後の一番いいラブシーンも「爆破されるのでは?」と懐疑的に思ってしまうのです。
アクアマンのすごいところ「カメラワーク」
映像もすごいけどカメラワークが「どうやって撮影したの??」と思ってしまうようなダイナミックさなのです。
家庭用ゲーム機でゲームをした方なら「あ、これ●●で観たことあるやつ!」というような立体的なアクションシーンの見せ方。コントローラーを握ってコマンド入力をした時のような爽快さ。
そして、イタリアでのアーサーとメラが並走して敵に追われるアクションシーンは、どんな脳みその構造をしていたらこんな映像が撮れるのか、驚いて目が離せません。
常々、映画好きなら思っていることではあるかと思いますが、どんなに素晴らしいCGを駆使しても、どんなに火薬の量を増やしても、ただ平面で撮っているだけでは「きれいな映像だな~」以上の感動はないのです。
私はロード・オブ・ザ・リングを観た時に、初めて「これ、え? どう撮ったらこんな映像ができるんだ……????」と映像に圧倒され呆然としました。ピーター・ジャクソン監督の「キングコング」も同様に素晴らしく、CGよりも監督の手腕に感動しました。
アクアマンのすごいところ「超文明の武器を解体→再利用」
マーベル作品ですが「アイアンマン」は、スーツは自分で作るヒーローをスタイリッシュに描きました。主人公のアイアンマンこと、トニーはテロリストのところから逃げるために、自分の兵器を改造してアイアンマン初号機を作りました。
敗北した敵キャラが、主人公に復讐するために主人公を忌々しく思っている勢力からすごい武器をもらうことはよくあります。その時にケチをつけるのが、よくても「この色は嫌だ」くらいです。
アクアマンの宿敵、ブラックマンタは、自業自得ではありますがアクアマンに復讐を抱くヴィランです。
彼は超文明の武器をもらい、勝手に自分で解体、改造、色ももちろん変えるのです。「普通そんなことする? 超文明の兵器なのに??」と驚いている間に、何故そのデザインになったのかというエピソードになっているのです。
「この映画考えた人頭良すぎでは??」と圧倒されてしまったシーンです。
アクアマンのすごいところ「圧倒的海の仲間大集合」
JLでも少し語られているのですが、アーサーは海の仲間と会話できるのです。
アクアマンの劇中にはタツノオトシゴのような不思議な生き物が馬の代わりになっていたり、かと思えばサメが馬のように使われます。
サメです。
サメがたくさん見れるのです。
某サメ映画ファン界の第一人者の某氏も認めるくらい、アクアマンは普通のサメ映画よりもサメを見せてくれるというお墨付きです。
最終決戦では海の仲間、クジラやイルカ、サメ等そのほかもろもろの様々な生物がアーサーのために駆けつけてくれます。敵側の馬のようなタツノオトシゴも、サメも、「あわわわ。」とうろたえるのです。
ちょっぴり可愛いです。
昨日の敵は今日の友だったりするわけです。
「ちょっと待って、ここまで盛り込んでいいの?」と思うくらいの展開が待ち受けているのです。
アクアマンのすごいところ「属性全部もち」
映画には、ジャンルがあります。
アクアマンはSFアクション映画に分類されていますが、ラブストーリーも、人間ドラマも、ホラーも、そして怪獣も、映画ジャンルの属性が網羅されているのです。
そんなアクアマンは、家族で見ても楽しく、恋人同士でも、友達同士でも、もちろん一人で見てもとても楽しいのです。