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三十路からのデスマーチ

何気ない日常がもしかしたら誰かの役に立つかもしれない。

悪の教典の漂うB級感

大竹しのぶを見るだけでほんのり怖くなるトラウマを植え付けた作品「黒い家」と同じ原作貴志 祐介の小説「悪の教典」の映画化作品。

出落ち感満載ですしストーリーもウィキペディアでネタバレされているので「わぁ」っと驚くこともないと思ったんですが、なかなかにB級作品として楽しめました。

本作はサスペンスではなくスプラッタームービーです。陽気に歌いながら殺人をする血みどろのサイコキラーを観るためだけの映画です。

サスペンスやホラーを期待した方は申し訳ないのですががっかりな鑑賞時間を過ごすことになるでしょう。

私の中の少ないスプラッター映画で一番ノリ的に近いのはフレディVSジェイソンでした。

 

 

簡単なストーリー。

生徒からも人気の教師、ハスミンこと蓮実聖司は生粋のサイコキラーで邪魔者を事故や自殺に見せかけ次々と葬り、自分の正体を探ろうとしていた教師や生徒も殺していたのですが、肉体関係をもってしまった女子高生を自殺に見せかけ殺したはいいものの他の生徒にも目撃されてしまいえらいこっちゃ。なんとか他の教師の仕業に見せかけようとしたものの、生徒との会話が録音されていたものが見つかってしまいあら大変。責任能力不能を狙って精神異常者のふりをする方向に切り替えました。

 

本作で主人公演じるのは「海猿」で好青年を演じ、正義感溢れる日本男児に定評のある伊藤英明。イケメンながらも笑顔が子犬のように可愛い俳優。

 

何故こんなサイコキラーを引き受けた? という疑問は、監督のコメントで、伊藤英明は動物の森というゲーム(キャラクターと交流するほのぼのゲーム)で二つ本体をそろえてすごく素敵な村とものすごく荒廃した村を作ると言うエピソードで納得。

余談ですがもう一人の何故こんな役を受けた?は山田孝之。三池崇監督らしい下品な演出で最期を遂げますが、原作はもっとひどい人間性だったため、折衷案だったのかもしれません。

ハスミンは生粋のサイコキラーで人殺しが好きなのではなく、

喉が渇いた。

コンビニが遠い。

自転車を持っている人から殺して奪う

コンビニに行く。

くらいの感覚で人を殺します。

だから仕事上「こいつめんどくせぇな」と感じればもちろん「こいつ邪魔だな」は例外なく殺します。

彼にとっては殺人の証拠隠滅は朝飯前。アメリカに行きそこでも殺人を重ねていました。

そこで殺人をする仲間のクレイ・チェンバースと一緒に仲良く死体を片付けるシーンがあるのですが、とても和気あいあいしていて、劇中数少ないほのぼのシーンです。

二人で運ぶバケツにはあふれ出る血と臓物。うっかりこぼしちゃってあーもう、と肋骨やらなんやらをかき集めながら、水をかけあうようなことをするかと思ったんですがさすがにそれはありませんでした。

そして邪魔になったクレイさんはドラム缶にインされてそのまま焼き殺されるんですが、後々になっても某マンガのように武器と一体化してハスミンに囁き替えたりします。

この演出もハスミンの中の罪悪感が……ではなく明らかにイマジナリーフレンドっぽくて、そういや自分には人殺しを一緒にした友達がいたな、くらいの感覚なんです。もっと楽しくやろうよ。とか言い出してハスミンも口笛歌ったり。

 

一番怖かったのがメッキ・メッサーの曲が流れる冒頭のシーン。不穏な感じがする音程で歌詞も不穏。

この曲をもっと演出にうまく活用してくれればホラーになったのかもしれませんが、エンディングも寒々しい。歌が悪いのではなくこの映画の最後に聞く歌としては台無し。邦画ホラーでよくあるエンディングが内容に合っていなくて気分台無しなあれです。

 

呪怨、終わりと始まりは最の高だったのに……。

 

 

 

そんな気持ちでエンディングを観ていると監督の名前が出て来るわけですよ。

 

三池崇……実写化……うっ頭がぁ!!