三十路からのデスマーチ

何気ない日常がもしかしたら誰かの役に立つかもしれない。

2013年度版のキョンシーは冗談ではなかった。

お題「最近見た映画」

キョンシーって20代の方は知らない方も多いと思いますが、簡単に言うと中国版ゾンビです。

私が子供の頃に親戚の家で見た初めての中国産映画でした。

両手を前に突き出し、前ならえのポーズでぴょんぴょん跳ねる中国版ゾンビ。

どこかコミカルなお化けで、仲睦まじい兄弟キョンシーがいたりと、ホラーというよりはややコメディな話もあったりと、日本で爆発的人気ができました。

 

それが、清水崇監督がプロデュースしてしまったんですよ。

2013年。

秋元康がアイドルをプロデュースするように、ジャパニーズホラーの代名詞清水崇が手掛けたキョンシー。全く、一分も、救いもなければ余裕もありませんでした。

どこを見ても怖いし、老朽化したアパートも怖いし、鮮やかな色合いの通行人も見てはいけないもの感に満ちていて怖いし、とにかくキョンシーが怖い。双子の怨霊が怖い。くっついてべちゃぁっと背中がひっついている演出もすごく怖い。

けれどどこか、幻想的な美しさがある光景。

この演出だけでも観る理由になります。

 

あらすじは、キョンシーを題材にした映画で一躍人気となった俳優チン・シュウホウが妻と別れ親権もとられ落ちぶれ、老朽化したアパートに来るところから始まります。

そこで自殺したのですが、えらいこっちゃ、一命はとりとめたたけれども、この部屋なんかいるよ!!近所になんかわけありの怖い女性がいるよ!!一階の食堂のおっちゃんは拝み屋さんだよ!!しかも家の前の廊下になんかわけのわからない(ほんとうにいっさい説明のない)見ちゃやばいものが通るよ!!

 

キョンシーの動きがこんなに怖かったのは初めてです。

 

本作、一番のネタバレになるラスト5分。これが大きくこの作品の評価を分けました。

こんなに恐ろしい物語のオチがこれとは……。と嘆く方数知れず。

 

私は、この結末は、主人公が最期に臨んだ結末、主人公が見たかった結末だったんじゃないかと思いました。

戦った人たちはおぞましい怨霊とは無縁の生活をおくり、夫を亡くした老婦人はその悲しみを抱きながらも平穏な生活をし、不幸な母子は「今日は酢豚にしようね。」と他愛のない会話をしながら手を繋いで家に帰り、成長した息子がやってくる。

昔見たユアン・マクレガーのサスペンス映画、「スティ」と同じ、あっけない一瞬の走馬燈が見せた幻だとオチつけるには、ひっかかってしまう点がいくつかあります。

 

主人公が息子の声を聞くのは、留守電に残された幼い声。

息子と妻が死別したような禍々しい演出。

幼い頃別れたきりなのに、子供が書いたような腕時計の絵が腕にのこっている。

首を吊る前からの記憶が捏造されている。

観れないはずの検視官の顔が見れている。

冒頭がキョンシーとの戦いの決着。

 

ほとんどの人が夢オチだというので、制作側からそういった明確な言葉があったのかもしれません。

というのも、もし夢オチなら、あの双子が仲睦まじく笑っている姿も入れてほしかったという願望があるからなのですが。もしかして、私が見たdTVではカットされていただけでDVDには未公開シーンとして入っているのでしょうか。

 

あのラストは賛否両論ありますが、少なくとも私は、あれがなかったら救いのなさに食べたチャーハンがおんもにでるところだったので、ホラーのプロの皆々様の心臓は本当に強いんだなと思いました。

パスタは生めん派

パスタが好きです。ピザが好きです。オリーブオイルに塩をかけて食べるパンも好きです。しかし私はトマトが苦手です。私は生のトマトはドレッシングにまみれて細切れになっていないと食べれません。

そんな私がその昔、イタリアに行って何故生トマトを避けずに済むと思ったのか。

トマトとチーズをオリーブオイルで和えたカプレーゼ。とても美味しそうでしたが食べれず友人に食べてもらいました。

 

最近それを思い出すことがありました。

前回、ジョジョの奇妙な冒険に涙したことをブログに書きました。

 

 


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ついに終盤のイタリアを舞台に戦う5部まで読んでいるわけですが、その前に33巻を読んでしまったわけです。

 

もしも私が、トマトを警戒してメニューを希望し、「そんなもの」「ウチにはないよ・・・」と言われてしまったら、どうしたでしょう。多分そのまま好奇心に負けてランチを頼んだでしょう。トニオさんの料理なら、トマトも食べれたはずです。

しかし近所にトニオさんのお店はありません。

しかし、だがしかし、このモッツァレラチーズをオリーブオイルで和えたものを食べたいという欲求が込み上げる。

しかしトマトは食べれない。

トマトとモッツァレラチーズのカプレーゼ、トマト抜きで、と頼むのは寿司屋でシャリだけくれと言っているようなものでしょうか。

そんな我儘許してくれたとしても、そんな恥ずかしいオーダーを頼むのは吉野家でシェフを呼んでくれと言っているようなもの。

そんなわけで、作りました。

 


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・モッツァレラチーズ 150g

・オリーブオイル  適量

・塩 ひとつまみ

以上。

頬張ればイタリア旅行の香りがしました。

 

 

大体の登場人物は年下

お題「最近涙したこと」

 

アニメを観て泣きました。

名作と名高い「ジョジョの奇妙な冒険」の三部、有名なサブタイトルは「スターダストクルセイダース」。

きっかけは、実写映画化にファンが阿鼻叫喚している姿を見て、偶々アニメを観る機会がありまして。

そこはエジプトという砂漠に見せかけた深い沼でした。

そしてネットスラングの源泉でした。

簡単に三部のストーリーを説明すると、ご先祖様の身体を乗っ取った吸血鬼の力のせいで余命50日となってしまったお母さんを助けるために高校生の少年がお祖父ちゃんや仲間たちとともに元凶を倒しに行くという友情と家族愛の物語です。

インパクトのある擬音とインパクトのあるキャラクターとインパクトのあるポーズに圧倒されがちですが、ストーリーはとてもシンプル。

昨今、味方が突然裏切る展開が多く、むしろ味方がラスボス展開が多いため、純粋に仲間が信頼し合う関係の彼らの冒険はむしろ新鮮。

味方は最後まで裏切らず、力を合わせ困難を乗り越える。

しかし大人気作品とはネットに触れる限りネタバレとは縁が切っても切れないからです。

ネタバレ。

それは初めて見た時の驚きや感動を半減させる恐ろしいネットの罠。

しかし好奇心ゆえに人はその深い深淵をのぞいてしまいたくなるものです。

私はその日、息をするようにSNSを開き、覗いてしまったのです。そこには見始めたばかりのアニメの結末に関する重大なネタバレがありました。

それを見た時私は、そのキャラクターが何故ここまで熱狂的な人気が出たのか理解しました。

 

花京院 典明

 

幼い頃から他人とは違うその力ゆえに誰にも心を開かず生きて来た少年は、十七年生きてきてやっと理解し合える仲間に出会いました。

彼にとっての十七年間は、家族にも心を開けない孤独な人生でした。

その彼が仲間と過ごした五十日間、日々どんな気持ちだったのか。

残された両親は変わり果てた姿で帰ってきた息子を見てどう思ったのか。

すでに結末が分かりきってるゆえに、毎回涙しないといけないのです。

砂漠で、病院で、私は彼に帰ってほしかった。生きてほしかった。

しかし誇り高い彼は最後まで戦ってしまうのです。戦う道を選ばず生き延びた自分を許さないでしょう。

 

DIOはジョナサンに抱きしめられたまま海底に沈んでいてほしかったけどそれだと花京院の孤独は終わらないし、DIOが目覚めたら花京院は死んでしまうし剣を握らなければおまえを守れないし剣を握ったままではおまえを抱きしめられないしとBLEACHの詩のような葛藤に涙をこぼしながらその光景をただ眺めるばかり。

 

話は少し脱線しますが、私は部屋が狭くなったため電子書籍に切り替えようかと思っていました。本棚からは本が溢れ、「弱虫ペダル」や「マギ」がダンボールをDIYした仮本棚にしています。しかし、テラフォーマーズをダウンロードしていたSDカードが突然ストライキを起こして使用できなくなってしまったため、この手に残らぬものはやはり信用できないという結論に至ったわけです。

今、私の部屋には収まりきらない全63巻が箱ごと置いてあります。

原作のほうが笑うとか、新しい発見があって感動しました。

 

 

 

 

 

ハワイでの初めてのおつかい。

お恥ずかしい話、私はセンスが皆無です。

服もそうですが友達に贈り物をするのもいつも頭を悩ませます。気心の知れた仲なら、百万円をモチーフにしたメモをプレゼントしたりしますが、職場の方へのお土産物はいつも無難なクッキーやお饅頭にします。

しかし今から数年前、ハワイに行くことになりました。

ハワイのお土産といえば、丸い木の実やチョコレートで茶を濁すことのできる観光地のメッカですが、お世話になっている先輩からお土産を頼まれてしまいました。

その方の私に課したミッションは、知る人ぞ知るオシャレキッチン用品のウィリアムズ・ソノマで魚の鱗取りを買って帰ることでした。

お店のある場所は幸いなことに、ハワイに来たらここに行かないでどこに行くというほど旅行客がほぼ100パーセント行く、アラモアナショッピングセンター。場所が分かれば達成不可能なミッションもなんだかやれそうな気がしてきました。

 

さて、アラモアナ・ショッピングセンターのやや外れにありました。ウィリアムズ・ソノマ。

お店の前からはまるでレストランのように良い香りがしました。レストラン街じゃないはずなのにと不思議に思いながら一歩入ると、そこはニトリの中のように眩しく、上品なキッチン用品が飾られていました。

スパイスやパスタもあります。

そしてショールームのように綺麗なキッチンでは、笑顔でスタッフさんが料理していました。

料理していたのです。にこやかでトマトとひき肉のソースを作っていました。

これは予想外でした。

さて、それっぽい調理器具を探してみますが、包丁や皮むき器がありますが、ありません。

おしゃれな食器やおしゃれな何に使うのか分からない調理器具はあっても、先輩から見せてもらった写真にあった、魚の形をした調理器具はありません。あんなに特徴的だったから決して見落とすはずはないのに。

ここが日本なら、スタッフー!と泣きつきますが、スタッフー!と叫んでも鱗取りを探していますと日本語で言い。「アーハン?」と困ったように肩をすくめられるのが関の山。スマートフォンのまだない時代、私は電子辞書も持ち合わせていませんでした。

諦めるしかないのかと思いましたが、ここで勇気を出して品出しをしている店員さんに言いました。

自分の腕を乾布摩擦のように撫でるしぐさをしながら「フィッシュー、スキン。」とだけ言いました。

すると店員さんは困ったように肩をすくめて言いました。

「Sold out.」

伝わりました!!

しかしミッション達成ならず!!

いつ入荷するのかと聞けるほどのコミュニケーション能力も気力もなかった私は、皮むき器を買いました。

持ちやすいグリップとジャガイモの根もとりやすいスプーンのような先がついた優れものの皮むき器。

幸いなことに、先輩からはイイネ!をいただけました。

その先輩の笑顔を見て私は、ホノルル・クッキー・カンパニーでお茶を濁さなくて良かったと思いました。

 

 

 

 



それどこ大賞「買い物」
それどこ大賞「買い物」バナー

スプラッターライトノベル「ダイナー」

今週のお題「プレゼントしたい本」

 

平山夢明

言わずと知れた、読後感がひやぁっとする作品を作り上げるホラー作家さんです。

「今殺りに行きます」という作家、市川拓司に訴えられても文句言えないようなインパクトのあるタイトルを小説に付けたり、幽霊が出ないのに恐ろしくて読み進められない、本当に怖いのは生きている人間です、というような作品を作る作家さん。

そんな彼の作った作品、「ダイナー」

ひょんなことから人生を踏み外し、怖い人たちに穴に埋められかけた主人公カナコ。そんな彼女が命と引き換えに働くことになった食堂は殺人鬼たちの温床だった。

常に命がけデスゲーム状態の超ブラックバイトで彼女は無事ウェイトレスとして生き残れるのか。

 

本作はいやぁな描写も無論ありますが、ダイナーの店主ボンベロの作るハンバーガーは魅力的で、深夜に読むと怖いけどハンバーガー屋に走りたくなる破壊力を持っています。

カイジ並に人生の賭けに負けてどん底に突き落とされたカナコが、運と少しのしたたかさを武器に難を逃れ、最終的には圧倒的に、根本的に分かり合えなかったはずの相手と互いの命を預け合うほどの関係になっていくのに引き込まれます。

読み終わった後に残る清々しさと、B級映画を見たような気分は、もう一回見てみようかなと思わせます。

ライトのノベル感覚で読める作品なので、B級映画好きで少々のグロ描写に耐えられる方ならぜひ読んでほしいです。

 

 

 

ハチノスとの戦い

トリッパという食材があります。日本では焼き肉屋でお馴染みの牛の第二胃袋、ハチノスです。

主にイタリア料理として有名なトリッパのトマト煮。しかし、どこでも食べられる料理ではありません。

私も長年その存在を知り、地元でメニューを載せているところを見つけて行ったら「もうやってないっす。」と言われて、ペペロンチーノを食べて帰った思い出があります。それもまた黒コショウがきいてて美味しかったのですがまた別の話。

 なぜやめてしまったのかというと、下処理がとても面倒くさいのです。

とてもとても面倒くさいのです。

 


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これはスーパーの焼き肉コーナーにあったハチノスです。

この、黒い部分。

これをとるのが、大変でござりまする。

茹でて、煮こぼして、臭いをとってかーらーのー、この黒い部分を歯ブラシでこそぎます。しかし隅々までなかなか取れません。

牛の胃の中で重要な反芻胃。さすがです。

そんなわけで爪楊枝でこそぎます。


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この量に対して、かかった時間二時間。

水につけたわけでもないのに手はふやけました。


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別の食材のようになったこれがアフターハチノス。

もしも次にハチノスを料理することがあれば、白い下処理済のものを買います。

 
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万能食材タマネギと炒めます。


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白ワインもあったほうがいいですかね。辛口です。

 

 

 


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トマトとコンソメと一緒に煮込みます。


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できましたー!!

あーーーこの量にこの労力!!

コリコリしていておいしいけれど、できればもっと短時間で作れたらいいのに!!

 

インスタント缶詰も悪くなかったのですが、やはり出来立ての方がおいしいです。

一度挑んでみる覚悟のある人はレッツチャレンジ

 

 

 

マイケル・ベイ監督がトランスフォーマーの次に目を付けたアニメ実写タートルズ

お題「最近見た映画」

 

子供の頃、好きだったアニメが、ハリウッドで映画かされたら観に行くしかないと思うんですよ。

それもマイケル・ベイ監督。期待しかない。

私は小学生の頃衛生放送で観た、亀が不思議な薬で人間大になって戦うヒーローアニメが好きでした。

過去の映画も3作目まで作られてとても楽しい作品でしたが、最近の亀さん四兄弟はそれぞれ個性がくっきりいています。

四人のリーダー、青いバンダナがトレードマークのレオナルドは真面目な学級委員長系。

赤いバンダナがトレードマークのラファエロは、タフガイで脳筋

紫のバンダナがトレードマークのドナテロは科学好きなのはそのままによりオタクっぽく草食系に。

黄色のバンダナがトレードマークのミケランジェロは頭が空っぽでのりのりのウェーイ系。

前作では、初めての視聴者に分かりやすくするために、視点が彼らの名付け親であるエイプリルでしたが、今回は四兄弟が主人公です。

長男として悩むレオナルドに、もっと信頼してほしいと憤るラファエロ、みんなの気持ちが分かるけれど率先して発言できずにおろおろするドナテロ、そして明るく楽しそうに見えるけれど人間に受け入れてほしいという悩みがあるミケランジェロ

シン・ゴジラを見ていても思ったのですが、映画界のCG技術はすばらしいのはもちろん、トランスフォーマーを見ていて思ったのがそんな動きをどうしてできるのか。

素晴らしい技術があっても、それをどう演出するか。

マイケル・ベイ監督のCGの魅せ方は、今まで見たことのない生き物を見せてくれます。

しかし一抹の不安があります。

マイケル・ベイ監督のトランスフォーはシリーズを追うごとに敵、味方関係なく惨たらしく殺され、今のところの最新作では最主要セイバトロンだったはずのオプティマスすら惨たらしい有様でした。

このまま進めば、多分四作目あたりで、四兄弟の誰かが殺されるんじゃないか。少なくとも、四兄弟の周りの大切な誰かが。

マイケル・ベイ監督の残忍さがタートルズではでないことを祈るばかりです。