アニメを観て泣きました。
名作と名高い「ジョジョの奇妙な冒険」の三部、有名なサブタイトルは「スターダストクルセイダース」。
きっかけは、実写映画化にファンが阿鼻叫喚している姿を見て、偶々アニメを観る機会がありまして。
そこはエジプトという砂漠に見せかけた深い沼でした。
そしてネットスラングの源泉でした。
簡単に三部のストーリーを説明すると、ご先祖様の身体を乗っ取った吸血鬼の力のせいで余命50日となってしまったお母さんを助けるために高校生の少年がお祖父ちゃんや仲間たちとともに元凶を倒しに行くという友情と家族愛の物語です。
インパクトのある擬音とインパクトのあるキャラクターとインパクトのあるポーズに圧倒されがちですが、ストーリーはとてもシンプル。
昨今、味方が突然裏切る展開が多く、むしろ味方がラスボス展開が多いため、純粋に仲間が信頼し合う関係の彼らの冒険はむしろ新鮮。
味方は最後まで裏切らず、力を合わせ困難を乗り越える。
しかし大人気作品とはネットに触れる限りネタバレとは縁が切っても切れないからです。
ネタバレ。
それは初めて見た時の驚きや感動を半減させる恐ろしいネットの罠。
しかし好奇心ゆえに人はその深い深淵をのぞいてしまいたくなるものです。
私はその日、息をするようにSNSを開き、覗いてしまったのです。そこには見始めたばかりのアニメの結末に関する重大なネタバレがありました。
それを見た時私は、そのキャラクターが何故ここまで熱狂的な人気が出たのか理解しました。
花京院 典明
幼い頃から他人とは違うその力ゆえに誰にも心を開かず生きて来た少年は、十七年生きてきてやっと理解し合える仲間に出会いました。
彼にとっての十七年間は、家族にも心を開けない孤独な人生でした。
その彼が仲間と過ごした五十日間、日々どんな気持ちだったのか。
残された両親は変わり果てた姿で帰ってきた息子を見てどう思ったのか。
すでに結末が分かりきってるゆえに、毎回涙しないといけないのです。
砂漠で、病院で、私は彼に帰ってほしかった。生きてほしかった。
しかし誇り高い彼は最後まで戦ってしまうのです。戦う道を選ばず生き延びた自分を許さないでしょう。
DIOはジョナサンに抱きしめられたまま海底に沈んでいてほしかったけどそれだと花京院の孤独は終わらないし、DIOが目覚めたら花京院は死んでしまうし剣を握らなければおまえを守れないし剣を握ったままではおまえを抱きしめられないしとBLEACHの詩のような葛藤に涙をこぼしながらその光景をただ眺めるばかり。
話は少し脱線しますが、私は部屋が狭くなったため電子書籍に切り替えようかと思っていました。本棚からは本が溢れ、「弱虫ペダル」や「マギ」がダンボールをDIYした仮本棚にしています。しかし、テラフォーマーズをダウンロードしていたSDカードが突然ストライキを起こして使用できなくなってしまったため、この手に残らぬものはやはり信用できないという結論に至ったわけです。
今、私の部屋には収まりきらない全63巻が箱ごと置いてあります。
原作のほうが笑うとか、新しい発見があって感動しました。