三十路からのデスマーチ

何気ない日常がもしかしたら誰かの役に立つかもしれない。

忖度しねぇ!ホラーMCU「ドクター・ストレンジ2」

ドクター・ストレンジマルチバース・オブ・マッドネス。

公開からずいぶん経ちました。

さすがに何を言っても「あーああ、ネタバレされたから観る気無くなった」と言われないかもしれないと思います。

そもそも、ドクター・ストレンジマルチバース・オブ・マッドネスは、ネタバレされても展開の意外さにネタバレを忘れてしまうくらいの衝撃がありました。

でもなるべく、まだ観ていない人には私と同じ「はあああああ!!!????それやっちゃうの!!!!!????」という気持ちを持ってほしいので、気になっている人は少しでも早く観てほしいと思います。

 

今回はかなりホラーテイストです。だってサム・ライミ監督がMCUが許してくれるギリギリまでホラー演出を加えてるのです。

冒頭から大きな大きな目玉ちゃんが襲ってきます。ヒーローがぎりぎりしてはいけない退治の方法に冒頭からサム・ライミ監督の洗礼を受けます。

え……あれ、MCUはOK出したの? と冷静に考えればかなりぞっとしてしまうところがありますが、マーベルがOKを出したので無事公開されたわけです。

今回の作品はスパイダーマンに引き続きマルチバースがテーマです。

そう、別の世界からやってきたスパイダーマンたちは助け合い、励まし合い、困難を乗り越えたのに、別の世界からやってきたストレンジ先生は一応助け合ったり、かなり足を引っ張り合ったり、むしろ命の取り合いをしたりします。

なんで仲良くできないの!!?そんなに自分がメスを握らないと気が済まないの!!?

そんなストレンジ先生と敵対するのが、一緒に指パッチンおじさんをたこなぐりにしたはずのワンダ。いえ、彼女はもうワンダではなく、マルチバースのどこかにいる自分の子供を求めて戦うスカーレット・ウィッチなのです。

いやいやいや、ピーターがあんなつらい目にあってまでマルチバースを封印したのに、どうしてマルチバースに行き来してるの? 

そう思った方もいるでしょう。

今回は何故だかマルチバースを行き来できるフォーリナーアメリカちゃんがいるのです。

彼女は演出をミスればダサいことこのうえない、大きな星型の世界を行き来するためのトンネルを作り出すことができるのです。

マジで星型なのにちょっとおしゃれでスタイリッシュに見えるのすごい。

「前の世界のストレンジのほうが良かった。」

とストレンジ先生をディスったり、

「ピザにお金払うの?なんで?変なの。」

と貨幣制度を無視してピザをもぐもぐするアメリカちゃん。スカーレット・ウィッチが怖い分、彼女の天真爛漫さはむしろ救いです。

スカーレット・ウィッチはありとあらゆる不幸から自分の子供たちを守るために、マルチバースの無限の可能性を手に入れようと大暴れ。

むかうところ敵なしの彼女は、マルチバースにいるヒーローを虐殺していくのです。

マルチバースのヒーローを。

四人で活動するヒーローチームや、突然変異の子供たちを集めて学校を作った先生、そしてあんなヒーローのもう一人の姿や、あの人気ヒーローの女体化まで。

ランニング中の揺れる雄っぱいで多くのファンを魅了したあのヒーローが金髪美女になって登場した姿には、思わず「ええやん……。」と思ってしまいました。

でもスカーレット・ウィッチは躊躇しません。

歴史のある大先輩ヒーローでも容赦なくゴムの塊に変えていきます。

いや、これ本当にMCU許したの? と不安になるくらいどんどん殺されていきます。

そして逃げ惑うアメリカちゃんとストレンジ先生と別世界のストレンジ先生の元カノをホラー映画のモンスターのように追いかけるスカーレット・ウィッチ。

ついにアメリカちゃんが捕まってしまいますが、ストレンジ先生の最低最悪倫理観皆無の作戦が火を噴くのです。

いやこれ本当にMCUがヨシ!って言ったの? と画面を見ながら茫然とする観客を置き去りにして、サム・ライミ監督のサム・ライ味が特濃で襲ってくるのです。

最後の最後はMCU名物のエンドクレジットの後のおまけを見せて、ストレンジ先生の次回作をこうご期待!で終わります。

劇場を後にした人は誰もが思ったことでしょう。

本当にMCUこれ出してよかったのか? と。

 

そんなMCUの次回作は雷様のソーの新作になります。

ソーのヒロイン、ジェーンが帰ってきます。

予告映像では何故か元彼のコスプレをしています。レオン時代のナタリー・ポートマンを知る者は成長を感じずにはいられません。

さらに豪快に脱いだクリス・ヘムワーズの全裸にファンは阿鼻叫喚。なによりソーのファンは「背中のタトゥー弟じゃねぇか!!!!」と叫ばずにはいられなかったことでしょう。

ホラーの次はコメディなのか。温度差で風邪をひきながらも、ファンはついていくのです。