三十路からのデスマーチ

何気ない日常がもしかしたら誰かの役に立つかもしれない。

ワンショット・ワンキルのショートムービー

 

時は2021年。ツイッターでは一つのショートムービーが話題になりました。

それが「viewers:1」という140秒以内の超ショートムービー。

 東宝株式会社とAlphaBoat合同会社が共同運営するGEMSTONEクリエイターズオーディションの第六回目のグランプリ作品です。

その演出、短い時間で詰め込まれた世界観に多くの人が絶賛し、去年の12月24日に公開されてから、現在55万回以上再生され、高評価3.5万となっています。

カップラーメンを待つ間に視聴できてしまうのですが、もう一度噛みしめたくて再度視聴する方が続出。

ストーリーは荒廃した人類のいない世界で、誰かが見ていると信じて動画の配信を行う動画配信者の物語です。

配信者の映す光景は、近代的な建造物があり、空には「基地局ドローン」が飛んでいます。元は100機以上あったのが、今では3機しかないと語られます。この短い会話と映像で、私達に「世界が滅んでも何故ネットが使えるのか」をすっと受け入れさせてくれます。

その説明通り、基地局ドローンが減ると映像が乱れるのです。それも、テレビの映像が乱れるのとは違う、動画の生配信を視聴したことがある人にはリアリティを感じる乱れ方です。

残り時間が短くなるにつれて、徐々に途切れぼやけ、乱れる映像。

そして再び、最後の数秒、映像は再び鮮明になります。

私がこの動画を観たのはくしくも今日の早朝。仕事にいく支度の間でした。

鞄に補助用のバッテリーを入れ、非常用電源モードに切り替えたスマートフォンツイッターを見ながら、東北地方に住む人たちの情報を眺めていました。

「部屋がめちゃくちゃ。」「今外にいる。被災したときのことを思い出してすごく怖かった。」「無事です。昨日はちっとも眠れませんでした。」

viewers:1は架空の物語ですが、おそらく今日、多くの人が、自分の知らない誰かの「無事だよ。」「元気だよ。」というつぶやきに、ほっと安心したことだと思います。

viewers:1は、いつ見ても魅力に満ちた作品でしたが、今日見てしまったことにより、私には強く焼き付く作品になりました。

先週まで人類は愚か……と言ってPUIPUIモルカーを楽しんでいたころには戻れないかもしれません……(火曜日の最新話配信日まで)。