三十路からのデスマーチ

何気ない日常がもしかしたら誰かの役に立つかもしれない。

無関心から興味津々のターニングポイントは大体二次元。

友人の一人がスポーツが得意で、オリンピックの時も大変白熱しているのを人をダメにするクッションに寝そべって眺めていたことがあります。

私はスポーツが苦手なので自然と野球観戦もサッカー中継も興味がなく、家族がフィギュアスケートに夢中なのもさっぱりわからず、加点方法や技の名前も歓声があがるのですごいのだろうとか、すごい技よりも演技力や丁寧さが大事なんだろうというふわぁっとした感覚でしか見ていませんでした。

そんな私がフィギュアに興味を持ち始めたのが今月に入ってからです。

お察しとは思いますが、スケートを題材にしたアニメを観たからです。

主人公は自己主張が苦手な草食男士。けれどスケートを好きだと言う気持ちは誰にも負けない。グランプリファイナルに出場したけれども、愛犬の死も重なり精神状態は最悪。実力を発揮できず最下位、その後の大会でも成績不振で終わり実家に帰ってきたところから始まりまります。

憧れの世界王者の演技を初恋の女性の前で滑り、その動画がネットにアップされたことから彼の生活は一転、世界王者がコーチとしてやってくるという現実的にはあり得ない展開が進んでいきます。

 

フィギュアスケートのことはよくわかりませんが、一人の選手が自分の選手生命を絶ってコーチとなるというのは並大抵のことでは起こり得ません。

世界王者は何を思って低迷中の選手の元へ来たのか。

二人はどうなってしまうのか。

その展開にファンは毎話夢中になり、次の週まで気になって日常生活に支障をきたすほど。

噂では現実世界のフィギュアスケート界の世界女王が「この話の○○は本当はどうなの? 」と製作陣に問い合わせたという。

そしてグランプリファイナル直前にアニメを観て、見事聖地巡礼を果たしたといいます。

それほどファンの心を巧みに弄ぶこのアニメは、後数時間後に最終回を迎えます。

大河ロスでもう失うものはなにもないと思っている私ですが、この最終回を目撃して果たして生きていけるのか。

二期の情報の有無によっては立ち直れないかもしれません。

ホノルルのおにぎりチェーン店「いやす夢」

海外旅行に行ったら和食が恋しくなるといいますが、ハワイにはおにぎり専門店があります。

いやす夢さんです。

私はこのおにぎり屋さんが大好きなのでもっと有名になってもいいと思っているのです。

パンケーキよりも米のほうが朝食には向いています。

無論私以外にもそう思っている人はいるので、ここに行くと先客がいますし、いなくてもすぐにお客さんがきます。

日本米のおにぎり。

甘い卵焼き。

具だくさんのトン汁。

ハワイでハンバーガーやハンバーガーやハンバーガーを食べた後にどれだけ恋しくなることか。

海外の和食というのは、総じて安くて不味いか高くて美味しいか高くてコレジャナイかのどれかです。

安くてうまいのはいやす夢さんだけです。

忘れません。ABCストアで買った寿司のコレジャナイ感。

うれしことに、いやす夢さんは2016年に生まれ変わったアラモアナショッピングセンターの新フードコートにも出店されているので、業績は良いのでしょう。

最近グッズ展開されているので、きっと現地の人にも人気のはずです。

いやす夢さんのおにぎりはコンビニのおにぎりでは決して出せない、ふわふわのお米なのです。

もしもいやす夢さんのおにぎりしか食べたことのないハワイの人が日本のコンビニのおにぎりを食べると、がっかりするでしょう。

 

いやす夢さんのおにぎりは、なんというか、土曜日の学校帰りにお腹を空かせて帰ったらお母さんがにぎってくれていたおにぎりのような温かみと美味しさがあるのです。

 

 

 


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大河ロスまったなし

真田丸

堺雅人徳川家康が好きな私は毎回ハラハラワクワクしながら観ています。第四十四回のOP映像後半にSEが着いたときにはジョジョの奇妙な冒険も最終回になるとOPにSEついててすごくかっこよかったなと思い出してしみじみしました。

今回の真田丸は生きる人死ぬ人すべてがかっこよくて、歴史の中やドラマの中ではどうしても生まれがちな「悪者」が一人もいない、全員憎めないという素晴らしい脚本。しかしナレーションで結末が語られる、いわゆる「ナレ死」というのが産まれ、どの武将よりも多く人を葬っています。

 

今回の大河は主人公だけでなく、対極にいる徳川家康も魅力ある人物に描かれています。歴史のラスボスという象徴のせいか、昨今マフィアのボスのような冷血な支配者的イメージや、完璧な神様のような存在感を放っていて、二年前の黒田官兵衛でも寺尾聡というかっこいい徳川家康を見て、そうだけど、そうじゃない、なんだか物足りないと感じていました。

大河ではありませんが、信長協奏曲のグラビア雑誌をもらってはしゃぐ徳川家康のような、もっと人間らしい徳川家康は今後の大河では描かれないのだろうかと少し残念でした。

しかし、三谷幸喜はやってくれました。

織田信長明智光秀の濃厚な主従プレイにやや引きつつも傷の手当てをしたり、伊賀越えでは半泣きになりながら崖を下ったり、豊臣秀吉の襲来におびえて真田どころではなくなったり、地震に慌てて木にしがみ付いたり。

そんな中でもラスボスとしての顔もちゃんともっていて、天下泰平のための手段は選ばない。

真田親子が苦しめられる姿を見ても、心に過るのは伊賀越え。

最後の最後まで、真田の血に怯え慌てふためき、必死に逃げ惑う姿を見せてくれるのだろうと思います。

そして大河が終わった後の大河ロスを思うと、今からすこぶる気分が落ち込むのでした。

2013年度版のキョンシーは冗談ではなかった。

お題「最近見た映画」

キョンシーって20代の方は知らない方も多いと思いますが、簡単に言うと中国版ゾンビです。

私が子供の頃に親戚の家で見た初めての中国産映画でした。

両手を前に突き出し、前ならえのポーズでぴょんぴょん跳ねる中国版ゾンビ。

どこかコミカルなお化けで、仲睦まじい兄弟キョンシーがいたりと、ホラーというよりはややコメディな話もあったりと、日本で爆発的人気ができました。

 

それが、清水崇監督がプロデュースしてしまったんですよ。

2013年。

秋元康がアイドルをプロデュースするように、ジャパニーズホラーの代名詞清水崇が手掛けたキョンシー。全く、一分も、救いもなければ余裕もありませんでした。

どこを見ても怖いし、老朽化したアパートも怖いし、鮮やかな色合いの通行人も見てはいけないもの感に満ちていて怖いし、とにかくキョンシーが怖い。双子の怨霊が怖い。くっついてべちゃぁっと背中がひっついている演出もすごく怖い。

けれどどこか、幻想的な美しさがある光景。

この演出だけでも観る理由になります。

 

あらすじは、キョンシーを題材にした映画で一躍人気となった俳優チン・シュウホウが妻と別れ親権もとられ落ちぶれ、老朽化したアパートに来るところから始まります。

そこで自殺したのですが、えらいこっちゃ、一命はとりとめたたけれども、この部屋なんかいるよ!!近所になんかわけありの怖い女性がいるよ!!一階の食堂のおっちゃんは拝み屋さんだよ!!しかも家の前の廊下になんかわけのわからない(ほんとうにいっさい説明のない)見ちゃやばいものが通るよ!!

 

キョンシーの動きがこんなに怖かったのは初めてです。

 

本作、一番のネタバレになるラスト5分。これが大きくこの作品の評価を分けました。

こんなに恐ろしい物語のオチがこれとは……。と嘆く方数知れず。

 

私は、この結末は、主人公が最期に臨んだ結末、主人公が見たかった結末だったんじゃないかと思いました。

戦った人たちはおぞましい怨霊とは無縁の生活をおくり、夫を亡くした老婦人はその悲しみを抱きながらも平穏な生活をし、不幸な母子は「今日は酢豚にしようね。」と他愛のない会話をしながら手を繋いで家に帰り、成長した息子がやってくる。

昔見たユアン・マクレガーのサスペンス映画、「スティ」と同じ、あっけない一瞬の走馬燈が見せた幻だとオチつけるには、ひっかかってしまう点がいくつかあります。

 

主人公が息子の声を聞くのは、留守電に残された幼い声。

息子と妻が死別したような禍々しい演出。

幼い頃別れたきりなのに、子供が書いたような腕時計の絵が腕にのこっている。

首を吊る前からの記憶が捏造されている。

観れないはずの検視官の顔が見れている。

冒頭がキョンシーとの戦いの決着。

 

ほとんどの人が夢オチだというので、制作側からそういった明確な言葉があったのかもしれません。

というのも、もし夢オチなら、あの双子が仲睦まじく笑っている姿も入れてほしかったという願望があるからなのですが。もしかして、私が見たdTVではカットされていただけでDVDには未公開シーンとして入っているのでしょうか。

 

あのラストは賛否両論ありますが、少なくとも私は、あれがなかったら救いのなさに食べたチャーハンがおんもにでるところだったので、ホラーのプロの皆々様の心臓は本当に強いんだなと思いました。

パスタは生めん派

パスタが好きです。ピザが好きです。オリーブオイルに塩をかけて食べるパンも好きです。しかし私はトマトが苦手です。私は生のトマトはドレッシングにまみれて細切れになっていないと食べれません。

そんな私がその昔、イタリアに行って何故生トマトを避けずに済むと思ったのか。

トマトとチーズをオリーブオイルで和えたカプレーゼ。とても美味しそうでしたが食べれず友人に食べてもらいました。

 

最近それを思い出すことがありました。

前回、ジョジョの奇妙な冒険に涙したことをブログに書きました。

 

 


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ついに終盤のイタリアを舞台に戦う5部まで読んでいるわけですが、その前に33巻を読んでしまったわけです。

 

もしも私が、トマトを警戒してメニューを希望し、「そんなもの」「ウチにはないよ・・・」と言われてしまったら、どうしたでしょう。多分そのまま好奇心に負けてランチを頼んだでしょう。トニオさんの料理なら、トマトも食べれたはずです。

しかし近所にトニオさんのお店はありません。

しかし、だがしかし、このモッツァレラチーズをオリーブオイルで和えたものを食べたいという欲求が込み上げる。

しかしトマトは食べれない。

トマトとモッツァレラチーズのカプレーゼ、トマト抜きで、と頼むのは寿司屋でシャリだけくれと言っているようなものでしょうか。

そんな我儘許してくれたとしても、そんな恥ずかしいオーダーを頼むのは吉野家でシェフを呼んでくれと言っているようなもの。

そんなわけで、作りました。

 


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・モッツァレラチーズ 150g

・オリーブオイル  適量

・塩 ひとつまみ

以上。

頬張ればイタリア旅行の香りがしました。

 

 

大体の登場人物は年下

お題「最近涙したこと」

 

アニメを観て泣きました。

名作と名高い「ジョジョの奇妙な冒険」の三部、有名なサブタイトルは「スターダストクルセイダース」。

きっかけは、実写映画化にファンが阿鼻叫喚している姿を見て、偶々アニメを観る機会がありまして。

そこはエジプトという砂漠に見せかけた深い沼でした。

そしてネットスラングの源泉でした。

簡単に三部のストーリーを説明すると、ご先祖様の身体を乗っ取った吸血鬼の力のせいで余命50日となってしまったお母さんを助けるために高校生の少年がお祖父ちゃんや仲間たちとともに元凶を倒しに行くという友情と家族愛の物語です。

インパクトのある擬音とインパクトのあるキャラクターとインパクトのあるポーズに圧倒されがちですが、ストーリーはとてもシンプル。

昨今、味方が突然裏切る展開が多く、むしろ味方がラスボス展開が多いため、純粋に仲間が信頼し合う関係の彼らの冒険はむしろ新鮮。

味方は最後まで裏切らず、力を合わせ困難を乗り越える。

しかし大人気作品とはネットに触れる限りネタバレとは縁が切っても切れないからです。

ネタバレ。

それは初めて見た時の驚きや感動を半減させる恐ろしいネットの罠。

しかし好奇心ゆえに人はその深い深淵をのぞいてしまいたくなるものです。

私はその日、息をするようにSNSを開き、覗いてしまったのです。そこには見始めたばかりのアニメの結末に関する重大なネタバレがありました。

それを見た時私は、そのキャラクターが何故ここまで熱狂的な人気が出たのか理解しました。

 

花京院 典明

 

幼い頃から他人とは違うその力ゆえに誰にも心を開かず生きて来た少年は、十七年生きてきてやっと理解し合える仲間に出会いました。

彼にとっての十七年間は、家族にも心を開けない孤独な人生でした。

その彼が仲間と過ごした五十日間、日々どんな気持ちだったのか。

残された両親は変わり果てた姿で帰ってきた息子を見てどう思ったのか。

すでに結末が分かりきってるゆえに、毎回涙しないといけないのです。

砂漠で、病院で、私は彼に帰ってほしかった。生きてほしかった。

しかし誇り高い彼は最後まで戦ってしまうのです。戦う道を選ばず生き延びた自分を許さないでしょう。

 

DIOはジョナサンに抱きしめられたまま海底に沈んでいてほしかったけどそれだと花京院の孤独は終わらないし、DIOが目覚めたら花京院は死んでしまうし剣を握らなければおまえを守れないし剣を握ったままではおまえを抱きしめられないしとBLEACHの詩のような葛藤に涙をこぼしながらその光景をただ眺めるばかり。

 

話は少し脱線しますが、私は部屋が狭くなったため電子書籍に切り替えようかと思っていました。本棚からは本が溢れ、「弱虫ペダル」や「マギ」がダンボールをDIYした仮本棚にしています。しかし、テラフォーマーズをダウンロードしていたSDカードが突然ストライキを起こして使用できなくなってしまったため、この手に残らぬものはやはり信用できないという結論に至ったわけです。

今、私の部屋には収まりきらない全63巻が箱ごと置いてあります。

原作のほうが笑うとか、新しい発見があって感動しました。

 

 

 

 

 

ハワイでの初めてのおつかい。

お恥ずかしい話、私はセンスが皆無です。

服もそうですが友達に贈り物をするのもいつも頭を悩ませます。気心の知れた仲なら、百万円をモチーフにしたメモをプレゼントしたりしますが、職場の方へのお土産物はいつも無難なクッキーやお饅頭にします。

しかし今から数年前、ハワイに行くことになりました。

ハワイのお土産といえば、丸い木の実やチョコレートで茶を濁すことのできる観光地のメッカですが、お世話になっている先輩からお土産を頼まれてしまいました。

その方の私に課したミッションは、知る人ぞ知るオシャレキッチン用品のウィリアムズ・ソノマで魚の鱗取りを買って帰ることでした。

お店のある場所は幸いなことに、ハワイに来たらここに行かないでどこに行くというほど旅行客がほぼ100パーセント行く、アラモアナショッピングセンター。場所が分かれば達成不可能なミッションもなんだかやれそうな気がしてきました。

 

さて、アラモアナ・ショッピングセンターのやや外れにありました。ウィリアムズ・ソノマ。

お店の前からはまるでレストランのように良い香りがしました。レストラン街じゃないはずなのにと不思議に思いながら一歩入ると、そこはニトリの中のように眩しく、上品なキッチン用品が飾られていました。

スパイスやパスタもあります。

そしてショールームのように綺麗なキッチンでは、笑顔でスタッフさんが料理していました。

料理していたのです。にこやかでトマトとひき肉のソースを作っていました。

これは予想外でした。

さて、それっぽい調理器具を探してみますが、包丁や皮むき器がありますが、ありません。

おしゃれな食器やおしゃれな何に使うのか分からない調理器具はあっても、先輩から見せてもらった写真にあった、魚の形をした調理器具はありません。あんなに特徴的だったから決して見落とすはずはないのに。

ここが日本なら、スタッフー!と泣きつきますが、スタッフー!と叫んでも鱗取りを探していますと日本語で言い。「アーハン?」と困ったように肩をすくめられるのが関の山。スマートフォンのまだない時代、私は電子辞書も持ち合わせていませんでした。

諦めるしかないのかと思いましたが、ここで勇気を出して品出しをしている店員さんに言いました。

自分の腕を乾布摩擦のように撫でるしぐさをしながら「フィッシュー、スキン。」とだけ言いました。

すると店員さんは困ったように肩をすくめて言いました。

「Sold out.」

伝わりました!!

しかしミッション達成ならず!!

いつ入荷するのかと聞けるほどのコミュニケーション能力も気力もなかった私は、皮むき器を買いました。

持ちやすいグリップとジャガイモの根もとりやすいスプーンのような先がついた優れものの皮むき器。

幸いなことに、先輩からはイイネ!をいただけました。

その先輩の笑顔を見て私は、ホノルル・クッキー・カンパニーでお茶を濁さなくて良かったと思いました。

 

 

 

 



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