三十路からのデスマーチ

何気ない日常がもしかしたら誰かの役に立つかもしれない。

日本最後の秘宝館

それはかつて日本の温泉地に存在した、「愛」と「性」をテーマにした大人の博物館と言われています。

男女の営みを再現した蝋人形や春画、映像が飾られている場所です。

高校生の頃、人形の特集を組んだ雑誌を見た時に、その存在を知りました。

知ってしまいました。

私はその時に、秘宝館に置かれた人魚の蝋人形が気になり、実物を見てみたいなと思たのでございます。

しかしご存知の通り秘宝館は軒並み廃館。

現在残っているのは熱海の秘宝館のみです。

もうあの日見た雑誌の蝋人形は観ることができません。

しかし、熱海にある秘宝館にも人魚の人形があるとのこと。

休みが取れた私は今しかないと思い行ってきたわけでございます。

 

熱海駅からバスで数分、ロープウェイに乗り、さらに階段を登ってついた秘宝館入り口。に、子連れの、家族旅行者が、いました。

乳〇丸出しの人魚の蝋人形の前で。

まだ秘宝館の入り口もくぐっていません。

オッフ…と思いましたが、家族連れ、お子さんのほうは人魚の人形をさして気にする様子もなく、立ち去られたため、私はロープウェイですでに買ったチケットを見せて入ったわけでございます。

春画に始まり、避妊具や性玩具の展示、局部丸出しの蝋人形もあります。

ツイッターを少し前ににぎわせたポル〇ハ〇のように、無料でモザイクなしの動画が簡単に見ることができる昨今、あえてこれを見に来る意味はなんなのか。

日本の文化を知るという知的好奇心なくしてはできません。

それかドンキでアダルトグッズを冷やかしに来るカップルのような遊び心がないとできません。

 

実際、秘宝館に置かれているものはどれも昭和の匂いを感じる悪く言えば古臭い、よく言えばレトロ感のある、どこか懐かしさを感じるものなのです。

ピンク映画のポスターが好きな方や、田舎の道路のちょっとしたスペースにある中の見えない自動販売機にわくわく感を抱く方には、郷愁を抱く不思議な空間です。

私は古い旅館のような絨毯の上を歩きながら、どこかノスタルジックな気持ちになっていました。

そして最後には、驚くべきことにオ〇エント工業の美しいラブドールがいました。

その時私は、このラブドールをいい感じに並べた方がよっぽど血の巡りがよくなるのでは……と思いましたが、ここはきっとそういう場所ではないのです。

 

大人のあなたはぜひとも行ってみてはいかがでしょうか。

熱海秘宝館は小高い山にあるため、秘宝館を見終わった後にとても美しい熱海の街を一望できまう。

もちろん、秘宝館に行かずに熱海の街を一望するのもおおすすめです。