アベンジャーズ/エンドゲームを一年前から待っていた話 後編
絶望の一年からついに公開されたエンドゲーム。
間に「アントマン&ワプス」で絶望を回帰させ、「キャプテン・マーベル」でこんなすごいヒーローがいるなら今度こそサノスをボコボコにしてハッピーエンド間違いなしだ!! と期待を高めてくれてからの公開でした。
そこで気になったのが「こんなすごいヒーローがいて3時間何するんだ? 」ということです。
エンドゲームでは、アベンジャーズというチーム、そしてヒーローや絆の物語が3時間びっしり描かれていました。
エンドゲームの冒頭は、監視用のGPSを付けたホークアイが娘に弓を教えるシーンから始まります。
彼がヒーローとして生きることよりも選んだのは、自分の家族を愛し守ることでした。
インフィニティーウォーでは登場しなかった彼が何をしていたのか、この短いシーンで見事に描かれています。
そんなホークアイが大事に守って来た家族が、ふと振り返った瞬間に塵になります。インフィニティーウォーの惨たらしさを一瞬で観客に思い出させたのです。
ストーリーにも書いてあったように、指ぱっちんで半分減ってしまった人たちを取り戻すための戦いを始めるのです。この戦いには、アントマンが戻ってくるまで決定的な解決案が出ません。ここに5年かかってます。
その間すごいヒーローのキャプテン・マーベルことキャロルは宇宙規模のヒーローなので地球でじっとしているわけにはいきません。
アントマンがやってきてインフィニティーストーンを集めて指ぱっちんしなおすための打開策がでてくるのです。
ここで、今までマーベル作品、とくにアベンジャーズシリーズを観て来た人達への原点回帰がはさまれます。
このドラマ部分は、ヒーローたちが過去に置いてきてしまったもの、特にアイアンマンことトニーとキャプテンアメリカことスティーブンにとっては大切なものを取り戻すために必要なドラマパートでした。
そして、もう一つの、アベンジャーズシリーズで詳しく描かれなかった、とある二人の絆が描かれます。
アベンジャーズ1では、この二人には言い表わせられない、深い絆を感じました。
しかしその後ブラックウィドウことナターシャはハルクとの恋やキャプテンアメリカの補佐など他のキャラクターとの絡みが多く、ホークアイことクリントはアベンジャーズ2で良き父親としての面が現れていました。
エンドゲームでは二人の絆は、信頼できる仲間であり、家族であり、友人でもある。クリントにとってナターシャは失くしてはいけない人で、何ものにも代えられない存在だったことが証明されます。
アベンジャーズ/エンドゲームの結末は、決して手放しでハッピーエンドだと思えるものではないです。指ぱっちんより前に戦いで犠牲は出ていますし、取り戻すために犠牲が出ています。
けれど一人一人に人生があり、未来があります。
何を失っても守りたいものや取り戻したいものがあり、譲れないものがあったことが描かれています。
一年前、心を絶望に支配された心にしみわたる結末でした。