公開前はかなり不安になり、もしもの時は劇場に火をつけるとまで思うファンも多かった実写映画、ジョジョの奇妙な冒険 第一章が公開されました。
マイナスからのスタートだったせいか、少なくとも私の周りのファンからはかなり熱烈な支持があり、複数回観ている人も多いです。
個人的な感想を申し上げるなら、なるべく冷静に申し上げるなら、
原作必修(アニメもしくはコミックス)映画
何故かと言うとかなりテンポがよく、「ジョジョって有名なマンガだよね~国民の50%が知ってるって言うし~じゃあ映画からまず入ろうかな~」という一見さん向けではないんです。
一見さんが見ると「は? スタンドって結局何? あの弓矢どこから来たの? 最後に出てきたスタンドは? 結局あのスタンドは何の役に立つの? あの意味深なヒロインは何者? 」となって原作を見ないとポルナレフ状態になってしまうからです。
そもそも、ジョジョの奇妙な冒険はイギリスを舞台に始まり、宿敵ディオとジョースター家の対決を描いているのですが、ディオと直接対決するのが一部と三部。他の六部までは「ディオの残したものやディオの残党のせいでいろんな人がひどいめにあっている」という状態になります。
今回実写化されたのは四部。因縁のディオは白い帽子に白いコートの伊勢谷友介が高校生の頃にエジプトで倒しているのでディオの名前のデの字もでてきません。
だから「なんだよ、冒険してないじゃん。ご近所だけの話じゃん。」という感想を抱いてしまいかねないのです。
小学生には町の中を自転車で回るだけでも大冒険だったので、それをふまえると四部も冒険とは言えないくないと思うのですが、それは個人の感想なので置いておきます。
しかし、ストーリーは分かりやすいのですが、細かな設定が一見さんには分からないこの作品は、原作ファンには大成功と言っていいのではないかと思うのです。
余計なストーリーがなく、「家族」に焦点を置いたストーリー構成。展開や結末は原作ファンへのサービスと言っても過言ではないのです。
10年間、実写可能なキャストが集まるのを待ち続け、山崎賢人と伊勢谷友介という二人がそろった今しかないと踏み切った製作陣には拍手を送りたい。
治安が程よく悪く、ほどよく自然が残っていてオシャレなスペインの街並みはまさに杜王町。
ジョジョファンにはぜひともスクリーンで、ジョジョの魅力的なキャラクターとスタンドを体験してほしいです。
前置きが長くなりましたが
ネタバレと個人的感想を多分に含んだ感想を書いていますので、色を変えてみえにくくしています。ネタバレ後でも気にせず観れる人や鑑賞済の人以外はご注意をお願いします。
スタンドがすごかった……。
USJの4Dで体験していたけど、本当にこの、演出というか、すごかった!
クレイジーダイヤモンドはきらきらしていて、スタープラチナはスピード感があって、エコーズはマスコットキャラ感があって、ザハンドはやべぇこいつ感がありながらどこかコミカルで、すごくよかった……。
ストーリーはアンジェロ編から虹村兄弟編に絞られていて、それがいっそうよかった。
承太郎に父親の話をされたとき、「関わりたくない」って態度の仗助が、虹村兄弟に「親父を助けるためなら力を貸す」って言う展開がこの短い尺の中に東方仗助の人間性やクレイジーダイヤモンドににじみ出た優しさを表していて痺れた……。
東方一家の食事シーンとか、祖父と仗助の会話を原作よりも増やすことで、家族の絆を強く感じたし、「俺がこの街を守る」っていう仗助の言葉にぐっと重みが増していたのがもう100億点。
でも三部が実写化するのはさらに10年後でもいいのでハーフで身長190cmの日本人とインド人とフランス人とイギリス人とフレンチブルドッグが集まるのを待っています。