三十路からのデスマーチ

何気ない日常がもしかしたら誰かの役に立つかもしれない。

そして誰もいなくなる

私の住む県は若者が地方に流れ出た割合が周りの都道府県に比べてワースト1位というありさまです。

良いことです。

ないものを求めて行動力ある若者が逞しく成長し、巣立って行くのです。

良いことです。

年を取れば転職もしずらく体力もなく引っ越しなどなかなか気が引けてしまいます。若いうちに自分の求めるものを求め行動することは良いことです。

そして残された街にはデイサービスの事務所が増え、商店街は閑散とし、イオンやジャスコゆめタウンは空きテナントだらけという現実が残ります。

いえ、それらがあればまだいい方なのかもしれません。

一つしかなかったコンビニ(24時間営業に非ず)すらたちさり、唯一の本屋も閉店。仕出し屋は残っているけれどマックはない。モスは片道一時間弱な場所もあるのです。

周りに物があるというのは、選択の幅の広さを表します。

時々「良いものは金を出して買え」という言葉を聞きますが、その良いものがまず手に入らないのです。

オーダーメイドの靴やスーツがいいのは分かります。でもそれを求めて新幹線で県外に行かなくてはいけないこの現状。

現在ではネットが普及し、欲しいものが手に入りやすくなりましたね。ありがたいことです。

しかし、相変わらず若者が旅立つ場所には、映画館や美術館などの問題が控えています。

ツイッターでフォローしているイベントはだいたい新幹線か飛行機で行かねばなりません。

おしゃれなカフェはできたと思ったら潰れ、スタバができれば前日から並んでいくスタイル。

しかしこれはやむを得ないことなのですよ。

若者のために映画館を作っても、採算がとれなければ潰れます。そして次に成長した若者がますます旅立っていくのです。

これに歯止めをかけるには新婚さんや出産育児で大変な時期の年代をいかに呼び込めるかにかかっているのですが、福岡の某所のように成功するためには、近場に充実した都市街が必要なのです。電車で30分で天神や博多に行けるとか。

このまま誰もいなくなってスーパーもなくなったときにはどうするのか。

自己防衛の占い師さんに倣って、国に頼らない生き方をすべきなのかもしれません。

そして野草や野池で採れた魚を食べる人のサイトを、今日もめぐるのです。