今週のお題「映画の夏」
私の好きなシリーズものの洋画ホラーで、個人的には好きだけど1で終わっていたほうが良かったなという作品をおすすめしたいと思います。
「REC」2007年 スペイン作
カメラ片手にドキュメンタリーを撮影していたスタッフが訪れたアパート。そこは何故か警察から封鎖され、出ることができない。そのアパートで突然住民が凶暴化、謎のウィルスが感染していると察した住民たちは大パニックに陥り、真実を追い求めるスタッフたちにも惨たらしい結末が訪れる。
ブレアウィッチプロジェクトから手持ちカメラでブレブレな映像を撮るのが流行になりましたが、この作品はその中でも成功を収めた作品です。
薄暗いアパートの中を進んでいくのは強制的に進むお化け屋敷のようです。しかも外に助けを求めるのに、狙撃されるのです。窓に近づくなと警告され、もう絶望しかない状況。暗視カメラでしか見えない扉や化け物という仕掛けもワクワクハラハラするのですが、そのわずかな暗闇に現れるその存在に「ひぃっ」と声が漏れます。
この作品は2も恐ろしいのですが、2になると正体不明の恐怖にゆっくり輪郭が出てきて、さらに対抗策が出てきます。パワー型の恐怖に変わるのですが、扉の前を執拗にたたきつける凶暴化した住民と、今にも打ち破られそうな部屋の中でそっと銃口を自分に向ける特殊部隊隊員のシーンはその絶望感と恐怖が混ざって目を閉じてしまいます。
それが3になると、もう、アクションパニックスプラッター。
ドレスの裾を裂いたガーターベルトむき出しの花嫁にチェーンソーを持たせることで、ゾンビ殺戮ゲームのようなスタイリッシュさ。
最後のロマンチックな新郎新婦のキスシーンはRECの絶望感はなく、ロミオとジュリエットのような哀しい愛の終焉です。
嫌いじゃないけど、この1.2への台無し感。3をこれまでのRECと思ってみると温度差で極寒の平原からサウナに叩き込まれたような息苦しさを味わうことになるでしょう。
海外ドラマはシーズンを重ねても面白いのに、何故映画はこうなってしまうのでしょう。悲しい限りです。