三十路からのデスマーチ

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UVERwoldと「ヴェノム」の親和性

マーベル界の人気悪役キャラクター、ヴェノムの映画が本日公開されました。

アベンジャーズ・インフィニティーウォーがいろんな意味でお子様向けではなく、デッドプール2は完全に大人向け映画、その中でしょっぱなからグロテスクなイメージをめいいっぱい広げた予告編を出したヴェノム。

PG12です。いつからマーベルは大人向けになっちまったんだ……と嘆くのはお門違いです。

日本のアニメ界でも三十、四十年代の懐かしい漫画がアニメ化しているのです。

お金を持っている層を刺激する題材を選ぶのは正しい商業の在り方なのです。

 

本作のストーリーは、トム・ハーディー演じる「エディ」という記者が主人公です。虐げられている人たちのために、スキャンダルや特ダネをすっぱ抜くちょっとイキったイケメンを演じています。

このエディが超巨大企業、ライフ財団に噛みついて人生を転落させたことから始まります。

内部告発により違法研究施設に潜入成功。そこで(ネタバレ)なことがあり、宇宙から採取された謎の生命体、シンビオートに寄生されてしまい、えらいこっちゃ。なんやかんやあって自分に寄生したシンビオートのヴェノムと悪徳大企業と戦うことになるのです。

 

本作、日本からは人気アーティストUVERwoldがテーマ曲を担当しています。

ヴェノムを知っている人なら、「いや、あいついつも腹ペコでそんな善悪とか真面目なこと考えていないよ。」

と言う人もいるかもしれません。

しかし、このUVERwoldは映画「ヴェノム」と親和性がかなり高いのです。

本作のヴェノムは禍々しく、人間の頭をもりもり食べています。進撃の巨人寄生獣のようにはっきりとは描写されませんが、本人たちが「頭食った!」と騒いでいるので頭を食べているのです。

人間からしたら夜にエンカウントしたくないヴィランですが、ヴェノム自身は自分のことを負け犬だと表します。

エディもまた負け犬。巨大企業に脊髄反射で噛みつき、職と恋人を失います。恋人の今彼は医者でイケメンで奇行に走るエディにも親切にしてくれます。完全に勝ち目はありません。

ヒーローなんてこりごりだ。弱い人たちのために戦ってきたのに、こんな人生最悪だ。

そんな彼が、自分の身体はぼろぼろで、もうすぐ死んでしまうかもしれないという状態だと知りながら、世界を救うために戦うのです。

 

本作の主人公達は、負け犬から始まります。

 

さて、若者に大人気のUVERwold。彼らは挫折を知っています。報われないつらさを知っています。

UVERwoldの歌は悔しさをにじませ、それでも絶対に負けない。お前らになんかへし折られないという気持ちであふれていて、今の若者たちの支えになっています。

UVERwold「GOD and EVIL」は映画を観た後に聞くとずっとその親和性に感動すると思います。

 

ちなみに、ヴェノムはエンディング後に少し「次回に続く」的な映像が挟まれ、最後にさらにもう一つおまけが挟まれます。

それはまるで子供の頃に見た、二本立ての映画のような感動を覚えます。

 

最後に、内臓とか血が出るなら見れないと思っている人に安心していただきたいことがあります。ヴェノムは、内臓は出ません。断面図も出ません。でも、痛んだ魚を食べるシーンや、便器に顔を突っ込む嘔吐シーンがあります。

一番グロテスクなのはヴェノムの顔なので、そこがクリアできるようでしたら是非とも観ていただきたいです。

見終わった後に「これはトム・ホランドスパイダーマンに近づけちゃいけない奴だ…。」と感じます。