子どもにも戦争の悲惨さを知ってもらおうと、数々のアニメ作品が作られました。中には大きなお友達が「これ……声優の○○さんやんけ……!!」と物語そっちのけにきになってしまったり、逆にその演技力に涙がほとばしるという人もいます。
戦争作品の実写版は、規制のかからない「グロ」表現ができるジャンルという人もいるほど、惨たらしく残忍な描写の作品もあります。
それが子供向けアニメになったからといって、手を抜くといつから勘違いしていた……?
そんな問いかけが聞こえてくる作品が多々あります。
時にはクレヨンを使ったり、時には不穏な音や簡略化された絵を使ったりと、子供ができるだけトラウマにならないような配慮をしていますが、中には大人でもしばらくしんどい気持ちになってしまう作品もあります。
それが「ウミガメと少年」
この作品は、那覇から空襲を逃れて疎開してきた少年の物語です。
なるほど、孤独な少年とウミガメの交流を描くんだな。
そんな気持ちで見始めていたのに、どうしてこうなったという結末が待っているのです。
目の前で惨たらしく友人二人を失った主人公が、ウミガメの産卵を目撃し、彼らと一緒に見るはずだったウミガメの卵の孵化を見届けようと安全な場所まで卵を運ぶのですが(ウミガメの卵は上下逆にすると中で死んでしまうと言う説もあるらしいですが)、空腹のあまり少年はその卵を……という結末。
戦争はこんなに悲惨なんだよということを描くには十分悲惨でその日は食事が喉を通らなくなりそうな結末。
想像力が逞しいひとなら「凧になったお母さん」もかなりしんどい作品だと思います。私はこの作品を観た時に「マギ」の白龍を思い出してしまって、余計しんどくなりました。