三十路からのデスマーチ

何気ない日常がもしかしたら誰かの役に立つかもしれない。

ニンジャバットマンが初見にもファンにもすごかった

ニンジャバットマンがヤバイという感想をツイッターなどでよく見かけたのですが、何を言ってもネタバレになるというジレンマを抱えながらも、見て欲しいという気持ちが素直ににじみ出た感想だと思います。

 

でもバットマンってよく知らないし、なんか色々キャラ出てくるし、見ただけじゃ分からないんじゃないの?

 

そんな敷居の高さを感じている人もいるかと思いますが、公式の自己紹介を見て「仲間が四人と執事がいるんだな」くらいの気持ちで大丈夫です。悪者をやっつけるんだな、くらいの気持ちで大丈夫です。

猫耳付けた可愛い女子はルパンでいう富士子ちゃんだと思っていただければ大丈夫です。

とりあえずみんなで悪いやつをやっつけるんだな、くらいの気持ちで大丈夫なのです。

 

ですがあえて、あえて準備するならば

 

二代目ロビンこと、ジェイソン・トッドというキャラクターのことを調べてから行っていただけるとより楽しめます。

見なくても楽しめます。

観終わった後にツイッターを見て、

「ブルースのメンタルはこんなもんじゃない。」

「ダミアンの性格が違う。」

「ロビンはカウル取り合ったの? 」

「デスストロークさん何回ディックを勧誘したんだろう。」

という感想が出てきていると思うのですが、気になる人は、ぜひとも原作を読んでいただけると幸いです。邦訳本もたくさん出ています。

 

以下ネタバレ

 

 

終始「どうゆうこと? 」という展開の目白押しでフルCGで展開するクオリティの高い映画なのですが、あるシーンだけタッチが変わるのです。

例えるなら、ハウルの動く城を見ていたら、突然かぐや姫の物語が入ってきたようなそんなタッチ。

例えるなら、ポプテピピックの間のボブネミミッミを見たような衝撃。

 

それが、爆死したはずのジョーカーとハーレクインにそっくりな農夫婦のところに、虚無僧姿のレッドフードがやってくるシーンなのです。

それまで、殴り合い蹴り合いはあったけど、バイオレンスな雰囲気でもなかったのに、ここで突然はさまれるバイオレンスシーン。ここだけ切り取るとR15の別映画のような雰囲気なのです。

突然殴られて倒れた妻を庇う夫、それに執拗に暴力を振るう虚無僧。さっきまで城を変形させたりゴリラが温泉に入ったりどういうこと?と思っていた観客をさらにどういうこと?とさせるシーンです。

これは、訓練されたバットマンファンには「あ……。」と胸が詰まるシーンでもあります。

二代目ロビンこと、レッドフードは、ジョーカーに殺されているんです。

つってもアメコミって人すぐ生き返るでしょ? と思われてしまうかもしれないのですが、アメコミの中には「ただし○○を除く」とネタにされるほど生き返らないことが定説だったキャラクターがいるんです。

その一人が彼、ジェイソン・トッドでした。

しかも彼はファンの投票で生死を決められた不遇なキャラなのです。

今回の映画では「やれやれ。」という顔(顔はほとんど見えてませんが)でバットマンのために働いていますが、一時期は自分を殺したジョーカーを野放しにしていることに対して、二人の間で凄まじい戦いもありました。

レッドフードにとってはジョーカーは常に殺したい存在なのです。

 

このシーンはジョーカーの狂気的な印象を濃くするものでもあると同時に、バットマンファンには原作に忠実なロビンを見せてくれた重要なシーンでもあります。

 

原作を知らない人でも、虚無僧のロビンはやばいし、ジョーカーはもっとやばいと教えてくれるシーンなので、初見の人でもそれほどひっかからず観れると思います。