三十路からのデスマーチ

何気ない日常がもしかしたら誰かの役に立つかもしれない。

ゴジラVS戦後日本「ゴジラ-1.0」

シン・ゴジラという高い高いハードルに挑む山崎貴監督を心配する声が多かった「ゴジラ-1.0」 シンの次がまさかのマイナスワン。原点回帰としてオリジンやゼロをつけるシリーズは多いけども、それらを振り切りマイナスワン。 しかし作品はマイナスワンどころ…

ファンが公開を終わらせてくれない大ヒット作「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」

予想以上に人気が出てロングランする映画というのはあります。 インド映画で異例の大ヒットをし、なんやかんやで公開期間が延び、応援上映などで不死鳥のごとく復活する「RRR」が最たる例ですが、公式が思ったよりも人気が出すぎてなかなか上映終了しない映…

空想と救いの物語「屋根裏のラジャー」

あけましておめでとうございます。 今年は清らかな気持ちで映画はじめをしたいと思い、「屋根裏のラジャー」を観てきました。 イマジナリーフレンド。 心理学、精神医学における現象名の一つで、子供にしか認知できないいわゆる「空想の友達」もそう呼ばれる…

美しいのは死か生か「死が美しいなんて誰が言った」

一人で作ったアニメ映画「アラーニェの虫籠」が一時期話題になりましたが、この冬、画像生成AIとモーションキャプチャー技術、ゲームエンジンとして有名なUnityを使用することで少人数で完成させた作品「死が美しいなんて誰が言った」が公開されました。 完…

見る世代にとって感想の変わる「窓際のトットちゃん」

令和の後半はシスに始まり、ゴジラ-1.0やゲゲゲの謎等、戦後を描いた作品が大人気になりました。 そんな中満を持して公開された「窓際のトットちゃん」は黒柳徹子さんの幼少の頃の体験を描かれた本が原作となっています。 映画で描かれるのは戦前の時代、ト…

手を出した相手がヤバかった系「シス 不死身の男」

盲目の退役軍人の家に強盗に入った、引退したテロ暗殺部隊がボディーガードをしていた娘を誘拐した、凄腕の殺し屋だった男の愛犬を殺した等々、映画には 「手を出したらあかん奴に手を出したため報復に遭う」というジャンルがあります。 フィンランドで制作…

ヒトコワ&オカルトの嫌な映画「白石晃士の決して送ってこないで下さい」

邦画ホラー監督といえば知らぬ人のいない白石晃士監督。監督の元にはぜひ見てほしいと恐ろしい映像があの手この手で届きます。そんな映像の一つを見せちゃいますというコンセプトの本作「白石晃士の決して送ってこないで下さい」は、ヒトコワ要素とオカルト…

孤独を肯定する稀有な作品「ちひろさん」

元風俗嬢のちひろさんは海辺の地元に根付いた弁道屋さんで働いている。 名前も元々風俗店で使っていた源氏名。 自由気ままに生きている彼女は周りの人を時に振り回し、時に救い、飄々と生きている。 漫画「ちひろさん」は「ショムニ」という一世を風靡したド…

二次元並みの足の長さを誇るリティク・ローシャンの「バンバン!」

トム・クルーズとキャメロン・ディアスの主演映画「ナイト&デイ」。ハリウッドが誇る美男美女のアクション映画として当時話題になりました。 それをインドで作り直した本作。 RRRがゴールデングローブ賞で話題となったその波に乗れとばかりに日本でも公開さ…

これはもはやスポーツ観戦「THE FIRST SLAM DUNK」

日本が世界に誇る人気バスケット漫画「SLAM DUNK」。不良だった主人公が好きな女の子の笑顔が見たくてバスケ部に入り、全国制覇を目指すという物語です。 厳しいキャプテン、無表情で美形のライバル、問題児の先輩、元中学生MVPという個性的な仲間たちは主人…

30年分の狂気「マッドゴッド」

ストップモーションアニメ。 写真を一枚一枚とって重ねて作り上げる動画作品。日本で今一番熱いものはフェルトで作ったキャラクターをストップモーションで撮影したアニメ、プイプイモルカーでしょう。 モルモットと車を足して生まれた可愛らしいキャラクタ…

怒りの映画「RRR」

www.youtube.com 日本では昨今人気が出始めたインド映画。 筋肉!アクション!火薬!ダンス!とすっきり爽快で観れるので「つらい時ほど見てほしい」と勧める人の多いジャンルです。 この秋、映画館に行ってやたらとパワフルなインド映画として、「そうはな…

可愛さと不穏さと眠気との戦い「LAMB/ラム」

先に言います。 この映画は犬がとても可愛いのですが犬好きの方にはおすすめできません。 羊好きの方は予告を観て観賞を決めてください。 不穏な予告と公式ツイッターが出す可愛いアダちゃんの画像に「これはいったいどんな映画なんだ」と不安を抱かせる映画…

IMAXになって帰ってきた「ロード・オブ・ザ・リング」

全てのファンタジーの基礎となったと言われるJRRトールキン作の長編小説「指輪物語」。 2001年、ピーター・ジャクソン監督は映像化不可能といわれた指輪物語を映画化しました。 全世界にファンがいる指輪物語。下手を打てばとんでもない大惨事になりかねます…

最悪の奇跡と動物の絆と胸熱くなる兄妹の物語「NOPE/ノープ」

NOPE。日本人にはなじみのない言葉ですがニュアンス的には「ありえない」という信じたくないものに遭遇した時に発する言葉とのこと。 凡人ならもっと別の解りやすいタイトルをつけたくなりますが、知る人ぞ知るジョーダン・ピール監督はこの作品に「NOPE」と…

映画ゲストと思ったらガチヒロイン「ワンピース/FILM Red」

ワンピース/FILM Redの予告を初めて見た時、歌手なのだろうということとは察しましたが、拳を握った横顔が勇ましくて女の子とは思いませんでした。 しかし出てきたのは「シャンクスの娘」「ルフィの幼馴染」「世界の歌姫」という「夢小説」という単語を知っ…

死別の苦しみを描く「ソー:ラブ&サンダー」

※結末についてのネタバレが含まれます。 MCUのコメディ担当、タイカ・ワイティティ監督が担当したマイティー・ソーシーリーズの四作目にあたる「ソー:ラブ&サンダー」。タイトルを観た時に「はいはい、サンダーは雷神のソーでラブは元カノジェーンね。」と…

呪いが解ければ幸せとは限らない「犬王」

森山未來と女王蜂のアヴちゃんが主人公を務める、ファンタジー能楽エンターテイメント作品「犬王」が公開されました。 私は平家物語は壇ノ浦の合戦の下りくらいしか把握していないのですが、それでも十分楽しめました。 ただ、思ったよりもバイオレンスでし…

注目映画「LAMB」のアダちゃんが日本に来日

www.youtube.com 映画ミッドサマーみたいな可愛い花冠を付けた可愛いアダちゃん。 羊の女の子でお父さんとお母さんと一緒にお山のおうちで暮らしています。 そんなアダちゃんの映画は2022年9月23日に日本でも公開が決まりました。 来日して抹茶アイスを食べ…

忖度しねぇ!ホラーMCU「ドクター・ストレンジ2」

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス。 公開からずいぶん経ちました。 さすがに何を言っても「あーああ、ネタバレされたから観る気無くなった」と言われないかもしれないと思います。 そもそも、ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ…

人は強いということを教えてくれた「シン・ウルトラマン」

ウルトラマン。今までちゃんと見たことないけどシン・ウルトラマンは観てみたい。そんな風に思わせてくれるだけでもう成功しているのではないかと思います。 公開初日こそ「シン・ゴジラみたいなのを期待して行ったらがっかりした」という声もありましたが「…

膨らんだ期待が泡のようにはじけた映画「バブル」

シン・ウルトラマンで重要な情報解禁がされました。有識者によれば綾波のそっくりさんが田植えしている姿が公開されたのと同じくらいのタイミングらしいですね。 ウルトラマンをろくに知らない人間が観ても「ありがとう……ウルトラマン……。」と思い涙せずには…

白髪で隠れない美貌のヒロイン映画「狗神」

天海祐希のセミヌードが観れるということで、当時男子高校生が劇場に駆け付けたという噂のある角川ホラー映画「狗神」。内容は、四国の山間にある集落で暮らす中年女性が新任の若い男性教師と出会ったことにより、その集落で恐ろしいことが起き始めるという…

スパイダーマンは一人じゃない

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネスが公開されてうっきうきで観てきました。 でも本国でも観ていない方もいるので、まだ語りません。 その代わりマルチバース前作のスパイダーマンがとてもよかったという話をします。 このブログのタイト…

ワンピースまだ間に合う?

ワンピース、貴方はどこで挫折しました? 私はゴーイングメリー号がもう一緒に旅をできないと判明するウォーターセブンで挫折しました。 ゴーイングメリー号は諦めなきゃならないし、ウソップは船を降りるっていうし……なんでだよ!!空から帰ってきたんだぜ…

クリーチャーより零戦が怖い「シャドウ・イン・クラウド」

初めてシャドウ・イン・クラウドの予告を見た時に「おお!またつよつよ女子が怪物をぶん殴る系のアクションか!!?」と期待したものです。 ツイッターでは早速見た人たちから 「シナリオがいまいち。」 「クロエ観たい人だけみたらええ。」 「シナリオがい…

現在の語り部の集う場所

幼い頃、戦争体験談を語り部の人に聞くという項目が修学旅行に組み込まれていました。 当時、戦後から時間が経つにつれ、徐々に語り部の人は少なくなっていくのが問題視されていました。 生きた人の声を、多くの人に届けることの重要性。それが消えていくこ…

日本最後の秘宝館

それはかつて日本の温泉地に存在した、「愛」と「性」をテーマにした大人の博物館と言われています。 男女の営みを再現した蝋人形や春画、映像が飾られている場所です。 高校生の頃、人形の特集を組んだ雑誌を見た時に、その存在を知りました。 知ってしまい…

人間じゃないからヨシ!バイオレンス映画「DAHUFA 守護者と謎の豆人間」 

中国のアニメがすごいと、昨年から話題のアニメ業界。 中国ではアニメは子供向けという位置づけのため、性的、暴力的な作品はきびしく規制されているといいます。 そんな中国から本来であれば「ありえない」ほどの暴力描写を背負ってやってきたのが「DAHUFA …

匿名性の醜悪さを詰め込んだ「竜とそばかすの姫」

細田守監督が美女と野獣を作ってみたかんじのポスターが公開されたかと思えば、本当にディズニーのキャラデザの方が担当していたという作品、「竜とそばかすの姫」。 一目見た時からディズニープリンセスみたいだなと思っていただけに納得しました。 「竜と…