三十路からのデスマーチ

何気ない日常がもしかしたら誰かの役に立つかもしれない。

一年を振り返って

 今年はいろんなことがあった年でした。

 身内の葬儀から人生初のオーバーブッキングまで、そろそろ生き慣れて来たなと思ったときこそ様々なトラブルがやってくるものです。

 その中でも「今年の1位はオーバーブッキングだな」と高をくくっていたら、それ以上の出来事がありました。

 

 車にはねられました。

 

 日本では二人に一人が交通事故を体験するといいます。私は、当て逃げ、後ろからの追突、自身の物損と、一人で交通事故に遭う確率を上げていたのですが、まさか自分がはねる側ではなくはねられる側になる日がくるとはおもいませんでした。

 ここに書きこんでいるんだから大したことないんだろ?と思った人もいるかと思いますが、結果的には大したことはありませんでしたが、一カ月ほど入院しました。

 今となっては大変な目に遭ったなという感想が大きく残りますが、遭ったときは大変でした。

 なぜなら遠出する用事があったのです。

 某携帯電話ショップ勤務時代には、あまりにも日々の出来事に疲れすぎていて、いっそ車にでもはねられてしばらく休みたいと思っていた時もありました。

 今はそんなことを思っていた自分の肩をそっと叩いて伝えてあげたい。

 

 仕事辞めた方が絶対ましだよ、と。

 

 これから年末年始にかけて、車で移動する人もいるかと思いますが、くれぐれもお気を付けください。

 

 交通事故は、加害者も被害者も両方大変な目に遭います。

UVERwoldと「ヴェノム」の親和性

マーベル界の人気悪役キャラクター、ヴェノムの映画が本日公開されました。

アベンジャーズ・インフィニティーウォーがいろんな意味でお子様向けではなく、デッドプール2は完全に大人向け映画、その中でしょっぱなからグロテスクなイメージをめいいっぱい広げた予告編を出したヴェノム。

PG12です。いつからマーベルは大人向けになっちまったんだ……と嘆くのはお門違いです。

日本のアニメ界でも三十、四十年代の懐かしい漫画がアニメ化しているのです。

お金を持っている層を刺激する題材を選ぶのは正しい商業の在り方なのです。

 

本作のストーリーは、トム・ハーディー演じる「エディ」という記者が主人公です。虐げられている人たちのために、スキャンダルや特ダネをすっぱ抜くちょっとイキったイケメンを演じています。

このエディが超巨大企業、ライフ財団に噛みついて人生を転落させたことから始まります。

内部告発により違法研究施設に潜入成功。そこで(ネタバレ)なことがあり、宇宙から採取された謎の生命体、シンビオートに寄生されてしまい、えらいこっちゃ。なんやかんやあって自分に寄生したシンビオートのヴェノムと悪徳大企業と戦うことになるのです。

 

本作、日本からは人気アーティストUVERwoldがテーマ曲を担当しています。

ヴェノムを知っている人なら、「いや、あいついつも腹ペコでそんな善悪とか真面目なこと考えていないよ。」

と言う人もいるかもしれません。

しかし、このUVERwoldは映画「ヴェノム」と親和性がかなり高いのです。

本作のヴェノムは禍々しく、人間の頭をもりもり食べています。進撃の巨人寄生獣のようにはっきりとは描写されませんが、本人たちが「頭食った!」と騒いでいるので頭を食べているのです。

人間からしたら夜にエンカウントしたくないヴィランですが、ヴェノム自身は自分のことを負け犬だと表します。

エディもまた負け犬。巨大企業に脊髄反射で噛みつき、職と恋人を失います。恋人の今彼は医者でイケメンで奇行に走るエディにも親切にしてくれます。完全に勝ち目はありません。

ヒーローなんてこりごりだ。弱い人たちのために戦ってきたのに、こんな人生最悪だ。

そんな彼が、自分の身体はぼろぼろで、もうすぐ死んでしまうかもしれないという状態だと知りながら、世界を救うために戦うのです。

 

本作の主人公達は、負け犬から始まります。

 

さて、若者に大人気のUVERwold。彼らは挫折を知っています。報われないつらさを知っています。

UVERwoldの歌は悔しさをにじませ、それでも絶対に負けない。お前らになんかへし折られないという気持ちであふれていて、今の若者たちの支えになっています。

UVERwold「GOD and EVIL」は映画を観た後に聞くとずっとその親和性に感動すると思います。

 

ちなみに、ヴェノムはエンディング後に少し「次回に続く」的な映像が挟まれ、最後にさらにもう一つおまけが挟まれます。

それはまるで子供の頃に見た、二本立ての映画のような感動を覚えます。

 

最後に、内臓とか血が出るなら見れないと思っている人に安心していただきたいことがあります。ヴェノムは、内臓は出ません。断面図も出ません。でも、痛んだ魚を食べるシーンや、便器に顔を突っ込む嘔吐シーンがあります。

一番グロテスクなのはヴェノムの顔なので、そこがクリアできるようでしたら是非とも観ていただきたいです。

見終わった後に「これはトム・ホランドスパイダーマンに近づけちゃいけない奴だ…。」と感じます。

 

時間泥棒You Tuber

最近自宅で仕事をしているときにYou Tubeをよく見るのですが、好きなYou Tuberができるともうだめです。仕事ではなくただの休憩になってしまいます。

子どもたちのなりたい職業に選ばれるのも納得です。

人気のYou Tuberさんたちは皆楽しそうなんですよね。

 

オコゼをさばいてみたり

トラフグをさばいてみたり

アスレチックに行ったり

大きなプリンを作ったり

クレープ屋さんになってみたり

大きなたこ焼きを作ったり

コンビニで10万円の買い物したり

女装してミナミの繁華街に立ってみたり

 

いろんなことを全力で取り組んでいるんです。

一人だったら絶対できないテンションで、楽しそうに様々なことに取り組んでいるんです。

子供の頃は「大人になったらサッポロポテト100袋食べたいな」と思っていたけれど実際やってみるとちっともテンションが上がらないことも、子供の頃のテンションのまま食べつくす。そんな人がYou Tubeで輝いているのです。

自分がやるとなったら絶対できないことも、他人が全力で取り組んでいる姿は見ごたえがあり夢中になってしまいます。

 

前職で心身ともに追い詰められていた時は、「You Tuberったって素人でしょ?」と思ていたのですが、最近は良いカメラをもっている人も多く、画質が悪いカメラでもそれはそれで味があり、中の人の魅力で十分カバーできます。

 

テレビの世界だったらスポンサーの商品を使わなきゃいけないとか、スポンサーの好みに合わせなきゃいけないとか、不謹慎とか視聴者に気を配らなきゃいけないとか、いろんなしがらみがありますが、You Tuberは自分の実力とセンスを発揮しています。そこにはテレビにはない面白さがあるのです。

 

皆さんも是非とも、お気に入りのYou Tuberを見つけてみてください。そこには深い沼があり、時間が阿空間に飲み込まれる現象がたびたび発生する未来がまっています。

献血は簡単だけど誰にでもできない

誰にでもできる簡単なお仕事

という文句に騙された人は多いと思います。

そんな誰にでもできるフレーズがついている献血

こんなこと言うと赤十字から怒られると思うんですが、どうしても伝えたい。

 

献血は誰にでもできません……。

 

これは、献血を60回以上行ってきた私の結論です。

 

だからこそ、いろんな人に献血に行ってほしいという正直な気持ちです。

 

ジュース飲みに行こうぜ!とみんなで行ってみたら、一人だけアレルギーの薬飲んでいてできなかったとか、昼食の揚げ物の油が浮いてできなかったとか、比重が足りなかったとか、いろんな理由で献血ベッドに行くまでにふるいにかけられるのです。

 

そんな私が今まで献血できなかった思い出を語ろうと思います。

 

まず献血は、問診を行います。体重身長を書きこみ、熱を測ります。

ここで微熱が出ていたらだめです。

痛み止めや風邪薬など、薬を三日以内に服用していたらだめです。

化膿している傷があったらだめです。

体調が悪い人はもちろんだめです。

平熱だった人は次に進みます。血圧測定です。

ここで血圧が低かったり高かったらだめです。冬場は特に血圧が下がりやすいので、ここではねられることもあります。

そこをクリアして、血液検査です。やっと血を抜きます。ここでは少し血を抜いて、血液の比重を調べます。

この血液検査は、成分献血か全血かで変わってきます。

全血ができない人も、成分献血ならできる人もいます。

しかし、直前の食事が脂っこいものだった場合、血液に油が混じっていて献血できません。

 

この油が混じっている状態、比喩ではなくガチで油が混じっています。

バター多めのトーストとか、焼肉とか、揚げ物とか。そういった食事をしてから行くと、血液に油が混じるのです。

これは見せてもらったことがあるのですが、本当に血液の上に油がたっぷりなみなみあるのを試験管のような細いガラス管のような入れ物で見せてもらったのです。

見た瞬間、こんなものが私の身体に入っているのかとぞっとしました。

 

ちなみに女性の場合は生理直後だと血が薄くてはねられることがあります。

生理中はいわずもがな。むしろお勧めできません。血を失いすぎて倒れます。

 

さて、ここまでをクリアした人は選ばれし者として採血ルームの扉をくぐることができます。

貴方の身体にある血を待っている人が居るのです。堂々と行ってください。

そこではDVDやテレビを観ることができます。本も読めますが、片腕が使えないので読みづらいです。

採血用のベッドで横になり、看護士さんたちが飲み物を運んでくれるのそこはホスピタルカフェ。看護士さんたちは常に貴方を気遣ってくれます。血を代償にしばし王様気分が味わえます。

ここまできたらもう八割は勝ったものなのですが、まだ油断はできません。

献血用の針は、太いのです。

血管が細い人や、血管が固い人は、ここで最も最悪の状況、針が血管に刺さらないという状況に遭遇することがあります。

ここはもう看護士さんに頑張ってもらうしかありません。

難なく刺さった人はおめでとう、しばし安息をとられよ。

しかし刺さらなかった人は、残念ながらここで退場です。

 

献血は、誰にでもできることではありません。

輸血や移植をした人、何らかの事情で薬を常用している人、その日の体調が悪かった人、血液の比重が足りない人、等など様々な事情で献血ができない人がいます。

 

ジュースが飲みたいなんてそんな不純な動機で献血なんて……と考えている人、いいじゃないですか。ジュース、飲んでください。お菓子、食べてください。貴方が健康でやってきて健康に帰ってくれれば、その血は誰かを助けることができるのです。

 

自分は献血ができないダメな人間だ……という人もいますが、ダメじゃないのですよ。献血は誰にでもできないのです。貴方のその気持ちを他のことに生かしていただけないでしょうか。

 

日本の端っこでオーバーブッキング

なんらかの事情で航空会社が席を確保できず「お客様の中に、次の便でいっか~、と余裕のある方はいらっしゃいませんかーーー!」と叫ぶ回数は、お医者さんを探すよりも確率が高いと言われています。

東京から主要都市に行く時に起こることが多く、出張中の人や学生さんが「いっちょ航空会社を救ってやりますか」と席を立ち、申し出たらすでに他の人からも申し出が殺到していた、なんてこともあるオーバーブッキング。当日便乗り換えなら7500マイルか現金1万円を選べる謝礼があるので、やぶさかではないという人も多いです。

 

時間に余裕のある人ならば謝礼金、もしくは謝礼マイル獲得チャンスとして、アナウンスが流れた瞬間に航空会社の窓口に走るといいます。喫茶店にいたらもうだめです。聞いた瞬間に行かなければ他の人が謝礼を受け取ってしまうかもしれないのです。

中には申し出てたけどブッキングが発生せず普通に乗れるのに「なんで謝礼がない」と逆にクレームをつけるモンスターが発生して飛行機の離陸が遅れることもあると言います。

 

そのため日本では無理矢理引きずり下ろしたりなどということはなく、誰も挙手しなかった場合、時間以内に搭乗口にこなかった人の席が譲られる仕組みになっているといいます。

 

私は何度か飛行機を利用しているときにアナウンスを聞き、「いや~残念っすわ~こっちの便なら譲るのに~」と思っていました。

 

それが

 

なんと

 

ついに私の乗る便で出くわしたのです!

 

この時の募集人数は1名。周りを見渡せばカップルやご家族連れや女子会旅行のグループで溢れていました。

 

ぼっち私だけじゃん

 

しかも保安検査所通過しちゃったよ。いや~残念っすわ~。

 

そう思って座席でツイッターを眺めていたらまたもや募集のアナウンスが。

 

これは…連休前ということもあり出張の人もおらず単身で飛行に乗るような乗客もいないということか…。

 

そう気付くと、何故だか「お前一人なんだから次の便に行けよ。どうせ待ってる人も予定もないんだから。」という幻聴が聞こえてくるのです。

 

いやでも保安検査所通過しちゃったし…いいのか? 行ったらすでに締め切ってたりしない?

そんな不安を抱えながら保安検査所の職員さんに申し出ました。

 

ここからが長かった…。

 

まず、保安検査所の職員さんは航空会社の人ではないので「では窓口に行って下さい」と搭乗待合室から一旦出されます。

航空会社の受付カウンターに行くと、搭乗手続き中の利用者の列に並んで待たないと行けません。

面倒くさっ!と思っては負けなので、この先に航空会社スタッフの笑顔があると思って待ちます。

 

締め切られていた場合飛行機に乗れるのか…?

私はいらない子なのでは…。

 

そんな思いを抱えながらカウンターで申し出るとそこには安心したようなスタッフさんの笑顔が!!

「御協力ありがとうございます!」

その一言でこのハラハラ感が消えていきます。

いえいえ、そんな、いつもお世話になってますし…等と会話している場合ではありません。離陸時間が迫ってます。

 

そこでは名前と住所を書いて、もし席が確保できた場合はそのまま乗ることと、確保できなかった場合のみ便の移動と謝礼が発生するとこを了承します。

 

手続きを一旦終えると再び保安検査所に向かいます。そこにも長蛇の列がありますが私はもう余裕のよっちゃんなので「おん、ええで。もう一度検査したらええんじゃな。」と並んでいたらアナウンスで私の名を呼ぶ声が…。搭乗窓口にお越し下さいと言われてもまだ保安検査所通過しちゃってないよ??

ええええええ!!?と焦りつつもスタッフさんがいないので、普通に手荷物検査を受けて検査所を通り、私が呼ばれた柳沢ですと搭乗口で申し出ます。

ここでやっと席が確保できないので次の便でお願いしますということになるのです。

保安検査所からまた出て、飛行機が離陸するのを待ちそこで書類に署名して、新しい便の航空券と謝礼をいただきます。

 

といった一連の流れで航空会社の感謝と謝礼をいただきました。

次の便も二時間以上待ち、周りに空港以外にお店もなく、早い時間帯だったので空港内で過ごしましたが、もし予定が入っていたら絶対にできませんでした。

だって地方民。朝一番にTDLTDSに行こうとしたら早朝便に乗るしかないのです。それに乗っても開園にぎりぎり間に合わないのです。コミケの一般参加なんか始発組の後の長蛇の列に並ぶしかできません。サークル参加は確実に間に合いません。

そんなギリギリの状態ならば「残念っすわ~」と聞こえないふりをしていたかもしれませんが、奇跡的に余裕をもって早朝便を予約していました。

同行者がいてもできませんでした。

オーバーブッキングは日本の航空会社ではめったに起きないように工夫がされているといいます。

もしも私が移動しなかったら、何かの事情でギリギリ間に合わなかった人が乗れなかったのかもしれません。

そう思うと、今後も余裕をもって保安検査所を通過しようと感じました。

トラウマアニメ「ウミガメと少年」

子どもにも戦争の悲惨さを知ってもらおうと、数々のアニメ作品が作られました。中には大きなお友達が「これ……声優の○○さんやんけ……!!」と物語そっちのけにきになってしまったり、逆にその演技力に涙がほとばしるという人もいます。

戦争作品の実写版は、規制のかからない「グロ」表現ができるジャンルという人もいるほど、惨たらしく残忍な描写の作品もあります。

それが子供向けアニメになったからといって、手を抜くといつから勘違いしていた……?

そんな問いかけが聞こえてくる作品が多々あります。

時にはクレヨンを使ったり、時には不穏な音や簡略化された絵を使ったりと、子供ができるだけトラウマにならないような配慮をしていますが、中には大人でもしばらくしんどい気持ちになってしまう作品もあります。

それが「ウミガメと少年」

この作品は、那覇から空襲を逃れて疎開してきた少年の物語です。

なるほど、孤独な少年とウミガメの交流を描くんだな。

そんな気持ちで見始めていたのに、どうしてこうなったという結末が待っているのです。

目の前で惨たらしく友人二人を失った主人公が、ウミガメの産卵を目撃し、彼らと一緒に見るはずだったウミガメの卵の孵化を見届けようと安全な場所まで卵を運ぶのですが(ウミガメの卵は上下逆にすると中で死んでしまうと言う説もあるらしいですが)、空腹のあまり少年はその卵を……という結末。

戦争はこんなに悲惨なんだよということを描くには十分悲惨でその日は食事が喉を通らなくなりそうな結末。

想像力が逞しいひとなら「凧になったお母さん」もかなりしんどい作品だと思います。私はこの作品を観た時に「マギ」の白龍を思い出してしまって、余計しんどくなりました。

 

「砲台に消えた子どもたち」は子供向け文学版の「ミスト」

バッドエンドが好きな人は一定数います。

そんなあなたの一番最初のバッドエンド体験はなんですか?と聞かれ、いろんな漫画やトラウマゲームなどの作品名も上がるのですが、私の中では一番最初の体験は間違いなく戦争系の作品でした。

幼少期に触れた有名な戦争を題材とした作品、ビッグネームの「火垂るの墓」。

幼いころから、お母さんとの対面シーンは人生初のトラウマアニメのワンシーンとして残っています。

その後私はそんなトラウマを抱きながらも、小学生の頃には図書館に通い詰め戦争文学の本棚を読みふけるという一般的な小学生が過ごさないような時期を過ごしていました。

当時、私の時代には「学校の怪談」と呼ばれるシリーズ作品が大変流行しており、学校の怪談の作品の中にも戦死した霊が出てくるという流れがスタンダードでした。そんなこともあり、怪談よりももっと怖い話が読みたいと思ってたどり着いたのが戦争文学でした。

子供向けの戦争文学は、敗戦の中命からがら逃げる兵隊さんの話や、疎開した子供の話などなど、悲惨なはなしばかりなのです。

 

その中でもなかなかの悲惨さなのが

「砲台に消えた子どもたち」

野村昇司(著) 

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この作品、ドラマチックで読み物としてもおもしろいのです。 

疎開してきた少年が主人公の作品なのですが、疎開先の子供たちと徐々に打ち解けていき、仲たがいしていた子達とも仲良くなっていくのが小説として大変読みごたえがあるのです。

主人公が物資の乏しい中盲腸になり、そこから生還したときはここがクライマックスだと思いました。

戦争は終わったんです。空襲もないのです。

しかし、最後にとんでもないどんでん返しがあるのです。

今思えばこの作品は、子供向け小説版「ミスト」でした。

タイトルからすでにクライマックスなのですが、そこに至るまでの子供たちの物語がきらきらしていて、最後の最後でひっくり返される無慈悲さ。

しかも、この作品、実在の事件をもとに作られた作品でした。

色々な気持ちがこみ上げますが、良い作品なので子供向けと思わずに「ミスト」のようなどんでん返しが欲しい人にはおすすめです。