三十路からのデスマーチ

何気ない日常がもしかしたら誰かの役に立つかもしれない。

トラウマアニメ「ウミガメと少年」

子どもにも戦争の悲惨さを知ってもらおうと、数々のアニメ作品が作られました。中には大きなお友達が「これ……声優の○○さんやんけ……!!」と物語そっちのけにきになってしまったり、逆にその演技力に涙がほとばしるという人もいます。

戦争作品の実写版は、規制のかからない「グロ」表現ができるジャンルという人もいるほど、惨たらしく残忍な描写の作品もあります。

それが子供向けアニメになったからといって、手を抜くといつから勘違いしていた……?

そんな問いかけが聞こえてくる作品が多々あります。

時にはクレヨンを使ったり、時には不穏な音や簡略化された絵を使ったりと、子供ができるだけトラウマにならないような配慮をしていますが、中には大人でもしばらくしんどい気持ちになってしまう作品もあります。

それが「ウミガメと少年」

この作品は、那覇から空襲を逃れて疎開してきた少年の物語です。

なるほど、孤独な少年とウミガメの交流を描くんだな。

そんな気持ちで見始めていたのに、どうしてこうなったという結末が待っているのです。

目の前で惨たらしく友人二人を失った主人公が、ウミガメの産卵を目撃し、彼らと一緒に見るはずだったウミガメの卵の孵化を見届けようと安全な場所まで卵を運ぶのですが(ウミガメの卵は上下逆にすると中で死んでしまうと言う説もあるらしいですが)、空腹のあまり少年はその卵を……という結末。

戦争はこんなに悲惨なんだよということを描くには十分悲惨でその日は食事が喉を通らなくなりそうな結末。

想像力が逞しいひとなら「凧になったお母さん」もかなりしんどい作品だと思います。私はこの作品を観た時に「マギ」の白龍を思い出してしまって、余計しんどくなりました。

 

「砲台に消えた子どもたち」は子供向け文学版の「ミスト」

バッドエンドが好きな人は一定数います。

そんなあなたの一番最初のバッドエンド体験はなんですか?と聞かれ、いろんな漫画やトラウマゲームなどの作品名も上がるのですが、私の中では一番最初の体験は間違いなく戦争系の作品でした。

幼少期に触れた有名な戦争を題材とした作品、ビッグネームの「火垂るの墓」。

幼いころから、お母さんとの対面シーンは人生初のトラウマアニメのワンシーンとして残っています。

その後私はそんなトラウマを抱きながらも、小学生の頃には図書館に通い詰め戦争文学の本棚を読みふけるという一般的な小学生が過ごさないような時期を過ごしていました。

当時、私の時代には「学校の怪談」と呼ばれるシリーズ作品が大変流行しており、学校の怪談の作品の中にも戦死した霊が出てくるという流れがスタンダードでした。そんなこともあり、怪談よりももっと怖い話が読みたいと思ってたどり着いたのが戦争文学でした。

子供向けの戦争文学は、敗戦の中命からがら逃げる兵隊さんの話や、疎開した子供の話などなど、悲惨なはなしばかりなのです。

 

その中でもなかなかの悲惨さなのが

「砲台に消えた子どもたち」

野村昇司(著) 

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この作品、ドラマチックで読み物としてもおもしろいのです。 

疎開してきた少年が主人公の作品なのですが、疎開先の子供たちと徐々に打ち解けていき、仲たがいしていた子達とも仲良くなっていくのが小説として大変読みごたえがあるのです。

主人公が物資の乏しい中盲腸になり、そこから生還したときはここがクライマックスだと思いました。

戦争は終わったんです。空襲もないのです。

しかし、最後にとんでもないどんでん返しがあるのです。

今思えばこの作品は、子供向け小説版「ミスト」でした。

タイトルからすでにクライマックスなのですが、そこに至るまでの子供たちの物語がきらきらしていて、最後の最後でひっくり返される無慈悲さ。

しかも、この作品、実在の事件をもとに作られた作品でした。

色々な気持ちがこみ上げますが、良い作品なので子供向けと思わずに「ミスト」のようなどんでん返しが欲しい人にはおすすめです。 

 

 

ニンジャバットマンが初見にもファンにもすごかった

ニンジャバットマンがヤバイという感想をツイッターなどでよく見かけたのですが、何を言ってもネタバレになるというジレンマを抱えながらも、見て欲しいという気持ちが素直ににじみ出た感想だと思います。

 

でもバットマンってよく知らないし、なんか色々キャラ出てくるし、見ただけじゃ分からないんじゃないの?

 

そんな敷居の高さを感じている人もいるかと思いますが、公式の自己紹介を見て「仲間が四人と執事がいるんだな」くらいの気持ちで大丈夫です。悪者をやっつけるんだな、くらいの気持ちで大丈夫です。

猫耳付けた可愛い女子はルパンでいう富士子ちゃんだと思っていただければ大丈夫です。

とりあえずみんなで悪いやつをやっつけるんだな、くらいの気持ちで大丈夫なのです。

 

ですがあえて、あえて準備するならば

 

二代目ロビンこと、ジェイソン・トッドというキャラクターのことを調べてから行っていただけるとより楽しめます。

見なくても楽しめます。

観終わった後にツイッターを見て、

「ブルースのメンタルはこんなもんじゃない。」

「ダミアンの性格が違う。」

「ロビンはカウル取り合ったの? 」

「デスストロークさん何回ディックを勧誘したんだろう。」

という感想が出てきていると思うのですが、気になる人は、ぜひとも原作を読んでいただけると幸いです。邦訳本もたくさん出ています。

 

以下ネタバレ

 

 

終始「どうゆうこと? 」という展開の目白押しでフルCGで展開するクオリティの高い映画なのですが、あるシーンだけタッチが変わるのです。

例えるなら、ハウルの動く城を見ていたら、突然かぐや姫の物語が入ってきたようなそんなタッチ。

例えるなら、ポプテピピックの間のボブネミミッミを見たような衝撃。

 

それが、爆死したはずのジョーカーとハーレクインにそっくりな農夫婦のところに、虚無僧姿のレッドフードがやってくるシーンなのです。

それまで、殴り合い蹴り合いはあったけど、バイオレンスな雰囲気でもなかったのに、ここで突然はさまれるバイオレンスシーン。ここだけ切り取るとR15の別映画のような雰囲気なのです。

突然殴られて倒れた妻を庇う夫、それに執拗に暴力を振るう虚無僧。さっきまで城を変形させたりゴリラが温泉に入ったりどういうこと?と思っていた観客をさらにどういうこと?とさせるシーンです。

これは、訓練されたバットマンファンには「あ……。」と胸が詰まるシーンでもあります。

二代目ロビンこと、レッドフードは、ジョーカーに殺されているんです。

つってもアメコミって人すぐ生き返るでしょ? と思われてしまうかもしれないのですが、アメコミの中には「ただし○○を除く」とネタにされるほど生き返らないことが定説だったキャラクターがいるんです。

その一人が彼、ジェイソン・トッドでした。

しかも彼はファンの投票で生死を決められた不遇なキャラなのです。

今回の映画では「やれやれ。」という顔(顔はほとんど見えてませんが)でバットマンのために働いていますが、一時期は自分を殺したジョーカーを野放しにしていることに対して、二人の間で凄まじい戦いもありました。

レッドフードにとってはジョーカーは常に殺したい存在なのです。

 

このシーンはジョーカーの狂気的な印象を濃くするものでもあると同時に、バットマンファンには原作に忠実なロビンを見せてくれた重要なシーンでもあります。

 

原作を知らない人でも、虚無僧のロビンはやばいし、ジョーカーはもっとやばいと教えてくれるシーンなので、初見の人でもそれほどひっかからず観れると思います。

 

 

耳が痛くなった話し治療編

外耳道炎

それが私に眠れもしないほどの重傷を与えた耳痛の原因でした。

耳掃除のし過ぎ、もしくはプールに入った後になることのある病気らしく、原因だけ伝えられると子供のかかる病気のようにしか思えません。

 

しかし私の耳はそれを発症し、何故か本来なら人体の負けるはずのない緑膿菌にまで負けて点滴を打つことになってしまったのです。

「この点滴が効かなかったら、入院だよ。」

抗生物質の服用で改善しない私に、先生が言いました。

生まれて初めての入院イベントをこんなことでしたくなかった私は、点滴が効くようにのどに白かゆを流し込み、点滴に通いました。

 

この間約一週間。毎日病院に通い、最終的には朝夕の点滴まですることになりました。前職ではとても治療できずに入院決定な状況です。

 

私にとってこの病気は膀胱炎に次いで二度と患いたくない病気の一つとなりました。

 

リンパが腫れて顎が閉じず食事が流動食しかできない。

痛くて目が覚める。

朝夕の点滴が嫌だ。

 

それも大きな理由ですが、一番は治療の一つの耳洗浄なのです。

一回目は耳に洗浄液だけを入れました。それ自体は痛かったのですが、耳の中を掃除しているなぁという程度だったのです。

 

二回目は違いました。

上がるベッド。近づくライト。あれ? そんな金具の音したっけ? という金属音。

洗浄液が入ったなと思ったら、耳の中で虫歯治療をするときの「キュイーンンンンンンガガガガキューィィィィィィィンンンン」という音がし始めるのですよ。

 

私が若かったら泣き叫んでいました。

 

東京喰種の金木君ですら、耳に〇〇〇を入れられる前に「今から入れるよ。」と言われていたのに、私の場合は予告もなしに耳の中で虫歯治療が始まったのです。

ビクンビクンと死にかけた魚のように震える私を抑える看護士さん二人。

耳で行われる工事。

 

まるで拷問でした。

 

みなさんくれぐれも、耳掃除と不摂生にはご注意ください。

 

 

 

眠れないほど耳が痛くなった話し

旅行に行ったり映画を観たり、楽しい初夏を過ごしていた私ですが、その時はそっとやってきました。

私は耳に時々ニキビができるので、その時も「ニキビかな」と安易に思って薬を塗ったりしていました。

そのため薬を塗ってその日は眠ったのですが、午前3時耳の痛みで目が覚めました。

耳が痛いと、頭痛までしてくるんですよ。

もっと言うと、顎まで痛くなるので食事ができなくなるのです。その日は水と豆乳しか胃袋に入れませんでした。

仕事を終えて私が耳鼻科にいったのは夕方。お子さんたちの阿鼻叫喚であふれていました

睡眠不足に加えて絶食でぐったりとして座っていました。

先生は私の耳を見て「腫れていて中がみえない」とおっしゃいました。

生まれて初めて耳の中を見てそんなことを言われました。

原因はおそらく耳掃除のしすぎ。炎症を起こしているので掃除をしてもらいます。

耳の穴にガーゼを入れられた時、痛かったのは最初だけであとはなにかガサゴソガサゴソという音が延々としていました。

この時私に頭の中によぎっていたのは、東京喰種という作品の主人公が耳の中に〇〇〇を入れられるという拷問を受けていたシーンでした。

かさねて言います。痛くはなかったのです。

けれど耳の中をガサゴソガサゴソと音が聞こえるのは、さしづめ何か得体のしれないものが耳の中に入っているようでございました。

薄い本のジャンルには耳〇というジャンルもあるそうなのですが、ちっとも理解できませんでした。

耳掃除をしすぎたばかりにこんな目に遭ったのです。

そう思うと悲しくてせつなくて「触らないでぇぇぇぇぇ」と叫びお子さんの声を聞きながら泣きそうでした。

薬をもらい、食後に飲めと言われても食ができない状況だったので、豆乳を飲んでから薬を飲みました。

ディストピア飯という言葉が頭をよぎりました。

梅雨は特に体調を崩しやすい時期と言います。

皆さまもお気を付けください。さもないとあなたも私のように、耳〇とディストピア飯という悲しい体験をしなくてはならないかもしれません。

 

そして誰もいなくなる

私の住む県は若者が地方に流れ出た割合が周りの都道府県に比べてワースト1位というありさまです。

良いことです。

ないものを求めて行動力ある若者が逞しく成長し、巣立って行くのです。

良いことです。

年を取れば転職もしずらく体力もなく引っ越しなどなかなか気が引けてしまいます。若いうちに自分の求めるものを求め行動することは良いことです。

そして残された街にはデイサービスの事務所が増え、商店街は閑散とし、イオンやジャスコゆめタウンは空きテナントだらけという現実が残ります。

いえ、それらがあればまだいい方なのかもしれません。

一つしかなかったコンビニ(24時間営業に非ず)すらたちさり、唯一の本屋も閉店。仕出し屋は残っているけれどマックはない。モスは片道一時間弱な場所もあるのです。

周りに物があるというのは、選択の幅の広さを表します。

時々「良いものは金を出して買え」という言葉を聞きますが、その良いものがまず手に入らないのです。

オーダーメイドの靴やスーツがいいのは分かります。でもそれを求めて新幹線で県外に行かなくてはいけないこの現状。

現在ではネットが普及し、欲しいものが手に入りやすくなりましたね。ありがたいことです。

しかし、相変わらず若者が旅立つ場所には、映画館や美術館などの問題が控えています。

ツイッターでフォローしているイベントはだいたい新幹線か飛行機で行かねばなりません。

おしゃれなカフェはできたと思ったら潰れ、スタバができれば前日から並んでいくスタイル。

しかしこれはやむを得ないことなのですよ。

若者のために映画館を作っても、採算がとれなければ潰れます。そして次に成長した若者がますます旅立っていくのです。

これに歯止めをかけるには新婚さんや出産育児で大変な時期の年代をいかに呼び込めるかにかかっているのですが、福岡の某所のように成功するためには、近場に充実した都市街が必要なのです。電車で30分で天神や博多に行けるとか。

このまま誰もいなくなってスーパーもなくなったときにはどうするのか。

自己防衛の占い師さんに倣って、国に頼らない生き方をすべきなのかもしれません。

そして野草や野池で採れた魚を食べる人のサイトを、今日もめぐるのです。

 

 

串かつだるまに思いをはせる

旅行に行くと食べたくなる、ご当地グルメ。ぶっちゃけ飲食店の少ない地方では銀だこもファーストキッチンビアードパパご当地グルメです。

そんなご当地グルメの話し。

私は大阪が好きです。大阪に住みたいくらい好きです。大阪ほどたこ焼きにめぐまれた場所はなく、ミナミは大阪中のたこ焼き店がしのぎを削っています。

しかし今回はたこ焼きではなく串かつの話です。

串かつというと、どこでも食べれるじゃんと思われがちですが、大阪には大阪でしか食べられない串かつがあるのです。

それが「串かつだるま」

違法労働で書類送検されたニュースで話題になりました。

串かつだるまは行列のできる串かつ店です。

どこの店舗も毎日行列ができます。

だから「あ…」と察しました。

忙しい職場を支えるのがアルバイトやパートさんなら、正規社員のようなしっかりとした福利厚生もなく、辞めていくスタッフも多かったでしょう。そして補充がされないまま営業を続ければどうなるか予想はつきます。

柳沢は労働基準法には敏感なお年頃なのです。

労働基準法軽視されすぎじゃない?

だるまにはしっかり業務改善を行って営業を続けて欲しいです。

今回は労働基準法の話ではなく串かつの話なので戻します。

だるまが何故そこまで人気なのか、それは他のお店では味わえない串かつだからです。

単純に具材に衣をまぶしてあげる、という料理ですが、だるまの串カツはアメリカンドックのようにもっちりとした生地に、きめ細やかなパン粉をまぶして揚げるという工夫があります。

そのためパン粉が口の中を傷つけることがなく、おいしく食べることができます。

かならず出てくるおかわり自由のキャベツ。これも魅力の一つだと思います。このキャベツが串カツのタレと合うのです。串かつよりも合うんじゃないかというくらいベストオブタレパートナーなのです。

甘いしゃきっとしたキャベツを酸味と甘みの程よくブレンドしたソースで食べる。串かつがメインなのはもちろんですが、キャベツもおかわりしたいくらいおいしいのです。

ほとんどのメニューが130円台という安さなのも嬉しいです。

 

新大阪駅にはたくさんの飲食店があり、串かつが食べられる店舗もありますが、そのお店はあくまで串かつはおまけです。串かつも食べれるよという、メインは他にあるお店です。

しかしだるまは、串かつメイン。串かつ代表。新大阪駅で串かつを食べて、「あ~大阪のご当地グルメを食べた~」と思えるのはだるまなのです。

個人の嗜好は色々あるかと思いますが、何故こんなに熱くだるまについて語っているかと言うと、だるま以外のお店にも行ってみようと行った場所がことごとく切ない結果だったからです。

しかし、だるまも問題点というか、あまりおすすめできない面もあります。

私は一年に数回新大阪駅でだるまを利用しているだけなので、私の行く日や私の行く時間がたまたま一年に一回そういう日や時間だからなのかもしれませんが、大体スタッフが殺伐としているのです。

新幹線の改札をくぐった場所にある、席数の少ない場所で、つねにお客さんが多いせいかもしれないのですが、笑って接客されたことが一度もありません。

時には、声を張らないとオーダーが入らないこともあります。

だから、この店感じ悪いと思うと串かつもおいしく感じない、というような方にはおすすめできないのです。

強調しますが、私が行ったときがたまたまそうだっただけかもしれません。

書類送検された内容を考えると、休憩時間など確保できない人数で無理やり回していたため殺伐としていたのかなとも思ってしまうのですが、たまたま私の串かつもぐもぐタイムにだけ殺伐タイムが当たってしまった可能性も大いにあります。

正直、笑顔がなくても頼んだメニューがおいしく出てくれば、それ以上に求めることはないのです。それ以下は困ります。ここが妥協できないラインです。

こんなプレゼンでお前はだるまを持ち上げたいのか叩き落としたいのかと思われる方もいらっしゃるかと思います。

けれどそれは、是非とも貴方の目で確かめていただきたい。

ちなみに法善寺のだるまは威勢のいい大将とスタッフが笑顔で迎えてくれたので、新大阪駅はだるま上級者向けなのかもしれません。