三十路からのデスマーチ

何気ない日常がもしかしたら誰かの役に立つかもしれない。

カプセルホテルの敷居の高さ

昨今、様々な形態の格安ホテルがあり、大阪の某所では1泊800円という「なにかでるんじゃないか」という心霊的な意味でも衛生的な意味でもドキドキする価格帯のホテルがあります。

某旅行会社の倒産をきっかけに私たちは欲しいものを得るときに「値段」と「安全」を天秤にかけるようになりました。

格安の代わりに私たちが負うデメリットとは何か。その見極めが重要になってきた現在。旅好きの私は長年躊躇していたものにチャレンジしてみました。

 

カ プ セ ル ホ テ ル

 

今まで男性向けと言われてきたその世界に、女性向けサービスが始まりました。

 

もちろん、おしゃれな場所もあります。カーテンという不安定な敷居あれども、個室タイプもあります。

しかし私は、ここであえて、古き良きカプセルホテルタイプのお宿にチャレンジしました。

大塚にある某ホテル。そこは都内でも有数の昔ながらの情緒あふれる雰囲気のカプセルホテルでした。大浴場やサウナもあるのですが、2017年5月現在男性向けホテルだったため女性はシャワーのみのフロアしか利用できません。その代り女性は3000円以下で宿泊できます。

 

池袋の隣の大塚。この立地でこの金額で3000円以下。いいじゃない……。

 

ちなみに1980円以下のホテルもありますが、山手線から外れているため立地の面を考えるとお得だと思います。

 

さらに近くに銭湯があるため、疲れている人にはそちらもおすすめです。

さて、受付で靴を脱ぎ、鍵を預けます。受付では運が良ければ簡単に説明を受けられますし、運が悪ければ紙を渡されて「読んでね」というかたちになります。

チェーン店にはない、スタッフごとのばらついた接客サービスすら情緒があります。

受付フロアには連泊の人にはありがたい洗濯機があります。

受付で二つ鍵をもらいます。一つはロッカー、一つはフロア用です。男女それぞれ、間違ってフロアに入らないように階層ごとに鍵がかかっています。

 

そこでまず私がエンカウントしたのが、親切な常連さんです。共有スペースのテーブルで談笑していました。ここだけ見るとスーパーとかのバイトの休憩所のようです。

 

長く経営しているジムや食堂なんかには時々いる、独自ルールを教えてくれるRPGの町人、チュートリアルをしてくれる親切なNPC。リアルに遭遇するとは思いませんでした。

 

主に独り身だと優しく声をかけてくれて、冷蔵庫があるけど名前を書いてねとか、飲み残しは出る前に捨ててねとか、電子レンジ自由に使っていいのよ等、大切なマナーや共同スペースの知恵を教えてくれます。

 

しかし私はこの日、冷蔵庫も電子レンジも存在は知らずに使う気もなかったのでお礼だけ言っておきました。

さて、ここで重要なポイント。カプセルホテルの上の段に私は行かねばなりませんでした。

深く考えず上か下か選べたのに。上を選んでしまったのです。

これが階段式ならまだいいです。 梯子式なのです。

旅行疲れの私の身体&腕には大変な負担でした。もしもあなたが小学生のように飛び跳ねることのできる身体とHPを持っていなければ、迷わず下を選ぶべきです……。

 

寝るだけでもトイレがつらい。そう感じながら私は上の階を選んだ自分を心から呪いました。ちなみに、荷物を入れる前なら部屋を変えてくれるかもしれないので、やばいと思ったら部屋に入る前にフロントに戻るのも一つの選択です。

 

さて、寝てみますと思ったよりも柔らかく、寝心地の良いマットです。

しかし、枕も掛け布団も薄っぺらいです。

この中で荷物の整理は難しい広さでしたが、着替えて程度は大丈夫でした。

 

そして夕食を済ませると、シャワーブースに行きました。個室が三つだけですが、他に使用する人はいなかったためすぐに使うことができました。

人がいれば焦ること間違いなしですが、幸いなことに使っている間は誰も来ず。

化粧を直す場所は8人ほど椅子がありましたが、ここも一人くらいしかおらず。やはりみなさん寝るだけのものとして使用しているようです。

 

というわけで私も寝ました。

 

心配していた暑い寒いというのはなかったのですが、やはり空気は乾燥していました。飲み物は持ってこれなかったのですが、マスクを持って行った方がよかったです。

 

そして、風邪を引きました。

 

微熱程度なので、風邪薬を飲んでさっと下げましたが、今まで旅行中に風邪を引いたことがなかったので、とても衝撃的でした。

 

カプセルホテルで学んだこと

・下段を選べ

・共用スペースのマナー大事

・親切な常連さんに会ったらお礼と挨拶を

・体力のない人は使っちゃダメ

 

ずいぶん疲れるし関節が痛いのは年齢のせいかと思ったいたので安心しました。

 

 

 

 

悪の教典の漂うB級感

大竹しのぶを見るだけでほんのり怖くなるトラウマを植え付けた作品「黒い家」と同じ原作貴志 祐介の小説「悪の教典」の映画化作品。

出落ち感満載ですしストーリーもウィキペディアでネタバレされているので「わぁ」っと驚くこともないと思ったんですが、なかなかにB級作品として楽しめました。

本作はサスペンスではなくスプラッタームービーです。陽気に歌いながら殺人をする血みどろのサイコキラーを観るためだけの映画です。

サスペンスやホラーを期待した方は申し訳ないのですががっかりな鑑賞時間を過ごすことになるでしょう。

私の中の少ないスプラッター映画で一番ノリ的に近いのはフレディVSジェイソンでした。

 

 

簡単なストーリー。

生徒からも人気の教師、ハスミンこと蓮実聖司は生粋のサイコキラーで邪魔者を事故や自殺に見せかけ次々と葬り、自分の正体を探ろうとしていた教師や生徒も殺していたのですが、肉体関係をもってしまった女子高生を自殺に見せかけ殺したはいいものの他の生徒にも目撃されてしまいえらいこっちゃ。なんとか他の教師の仕業に見せかけようとしたものの、生徒との会話が録音されていたものが見つかってしまいあら大変。責任能力不能を狙って精神異常者のふりをする方向に切り替えました。

 

本作で主人公演じるのは「海猿」で好青年を演じ、正義感溢れる日本男児に定評のある伊藤英明。イケメンながらも笑顔が子犬のように可愛い俳優。

 

何故こんなサイコキラーを引き受けた? という疑問は、監督のコメントで、伊藤英明は動物の森というゲーム(キャラクターと交流するほのぼのゲーム)で二つ本体をそろえてすごく素敵な村とものすごく荒廃した村を作ると言うエピソードで納得。

余談ですがもう一人の何故こんな役を受けた?は山田孝之。三池崇監督らしい下品な演出で最期を遂げますが、原作はもっとひどい人間性だったため、折衷案だったのかもしれません。

ハスミンは生粋のサイコキラーで人殺しが好きなのではなく、

喉が渇いた。

コンビニが遠い。

自転車を持っている人から殺して奪う

コンビニに行く。

くらいの感覚で人を殺します。

だから仕事上「こいつめんどくせぇな」と感じればもちろん「こいつ邪魔だな」は例外なく殺します。

彼にとっては殺人の証拠隠滅は朝飯前。アメリカに行きそこでも殺人を重ねていました。

そこで殺人をする仲間のクレイ・チェンバースと一緒に仲良く死体を片付けるシーンがあるのですが、とても和気あいあいしていて、劇中数少ないほのぼのシーンです。

二人で運ぶバケツにはあふれ出る血と臓物。うっかりこぼしちゃってあーもう、と肋骨やらなんやらをかき集めながら、水をかけあうようなことをするかと思ったんですがさすがにそれはありませんでした。

そして邪魔になったクレイさんはドラム缶にインされてそのまま焼き殺されるんですが、後々になっても某マンガのように武器と一体化してハスミンに囁き替えたりします。

この演出もハスミンの中の罪悪感が……ではなく明らかにイマジナリーフレンドっぽくて、そういや自分には人殺しを一緒にした友達がいたな、くらいの感覚なんです。もっと楽しくやろうよ。とか言い出してハスミンも口笛歌ったり。

 

一番怖かったのがメッキ・メッサーの曲が流れる冒頭のシーン。不穏な感じがする音程で歌詞も不穏。

この曲をもっと演出にうまく活用してくれればホラーになったのかもしれませんが、エンディングも寒々しい。歌が悪いのではなくこの映画の最後に聞く歌としては台無し。邦画ホラーでよくあるエンディングが内容に合っていなくて気分台無しなあれです。

 

呪怨、終わりと始まりは最の高だったのに……。

 

 

 

そんな気持ちでエンディングを観ていると監督の名前が出て来るわけですよ。

 

三池崇……実写化……うっ頭がぁ!!

東京初心者の救世主suica

私は、電車に乗るのが苦手でした。

そんな私が数年前、スマートフォンの普及していない時代。東京に行くことになったその日、私の心の支えは手帳でした。

これさえ見れば駅も路線も書いてある。行ける!と意を決して旅立ったのですが、立ちはだかったそれは乗り継ぎ。

 

四苦八苦しながら乗り継ぎ料金を確認して買った切符は京急線から山手線に乗り換えようとした品川駅で無情にも返ってきませんでした。

 

乗り継ぎ切符の買わねばならなかったことまで気が回らなかったあの日。私は知りました。

 

東京初心者ほどSuicaを買わねばならぬと。

 

切符販売機で500円で買えて使わなかった分は翌日も繰り越し。

一日限定乗車券は元を取ろうとする心に縛られてしまうという不思議。Suicaならお金を入れればまた使えるし東京以外の路線でも大丈夫。

 

公共の交通機関をめったに利用しない地方民のマストアイテムはsuica!!

 

ここまで豪語するのは、私のように公共の交通機関に慣れず、滅多に使わないのにSuicaはねぇ~という気持ちのある人が、ディズニーリゾートなど東京に行くとき必ずつまずく場所だからです。

 

グーグルもSiriも乗り換えや地図は教えてくれても切符の買い方は教えてくれません。

 

Suicaスマートフォンは東京初心者にこそ必要なアイテムです。

 

ちなみに私がsuica購入の決断をしたのは、人生で初めてコ○ケに行くときでした。ありがとうコミ○

ガンダムカフェに行って来た話

コンセプトカフェというのをご存知でしょうか。

アニメやゲームの世界を店内に取りこんだりメニューに取りこんだりキャラクターのお面を付けたりして盛り上がりながらご飯を食べる場所です。

先日、ガンダムカフェに行ってきました。

何故か。

ガンダムシリーズ最新作鉄血のオルフェンズ最終回を記念してです。

御存じない方に簡単にストーリーを説明しますと、ガンダム新選組です。

もしくはガンダム真田丸です。

ともかく、私は行ってきたわけです。ガンダムカフェ。

ご存知の方はご存知かと思いますが、ガンダムカフェは秋葉原駅からすぐ見える可愛いアイドルの女の子たちのカフェの隣にあります。

列の先は高架下まで伸びていました。

2時間待ちました。

スマートフォンがなかったらくじけていました。通りすがる人たちや陸橋を渡る人たちに指さされながら待ちました。

やっと入ると、2時間まったことなどどうでもよいように感じました。ガンダムにちなんだキャラクターが、名言が、メニューがあるのです。ここがガンダムです。

よくご存じない方は「適当なフライドポテトにキャラクター名ポテトとかつけただけで1,000円とかとるんでしょ? それぼったくりバーじゃん」とか言いますが、ガンダムカフェは遊びじゃありませんのでそんなことはないです。

ちなみに、ドリンクにキャラクターの名前が付いているんですが、レジで頼むときに恥ずかしくないかなという心配は無用です。こんなところでつまづいていたら2時間並びません。

ここで私が頼んだのはもう本編で亡くなったキャラクターだったんですが、可愛らしいスタッフさんが「(死んだキャラの名前)1つお願いします。」と鈴の鳴るような声でおっしゃるもんですからキモオタの私は「え?? なに? いるの? (死んだキャラの名前)いるの? マジで? 」とレジの向こうをのぞくわけです。

もしかしたらあの後奇跡的に生還してカフェで働いているのかもしれないという妄想をしながら席に着くわけです。

コラボメニューのローストビーフにはマッシュポテトもついていてかなり本格仕様でした。おいしゅうございました。食べるまでは「言ってもそんな大したことないんじゃないの? 」と思ってましたけど高いレストランみたいな味がしました。

(死んだキャラの名前)のコラボドリンクも、ライチの香りがして並んでいたつらさや流した汗を忘れるほどおいしかったです。

ちなみに一緒にいた友人は推している(生きているキャラの名前)のカフェラテを頼んでいて、泡の上でくずれゆく(生きているキャラの名前)を残念そうにしながら飲み干していました。

 

さて、ここまでお付き合いいただいた方の中で私と同じキャラクターが好きな方はお気づきかもしれないのですが、このカフェに私が行ったのは最終回より前の日なんです。

友人とともにイベントに行けないことを悔しがりながら、友人宅で絶叫上映をすることになりました。

それくらいしか、イベントに行けない者の特権がなかったのです。

さて、友人たちとともにポップコーンと炭酸飲料を用意し、叫ぶ準備をしながら本編をみたわけです。

ガンダムカフェには、キャラクターたちをネズミやネコに置き換えたキャラクターがいまして、それが楽園のように美しかったのを覚えています。

 

私たちは

 

誰一人として

 

動きませんでした。

 

ポップコーンを食べることもなく、飲み物を飲むこともなく、互いに言葉を交わすことなく、息もしているのか怪しいほどの沈黙の約30分間でした。

 

今だからこそ書けるのかもしれないほどの、痛い悲しい沈黙でした。

 

私はこれほどの沈黙を体験したのは「魔法少女まどか★マギカ 【新編】叛逆の物語」をの劇場以来でした。

誰一人として立ち上がらない、エンディング。

その後の明るくなっても、数秒固まって動けない観客。

しかしそれ以上のダメージを私たちは、言葉を失い呼吸すら忘れ、Blu-rayのCMを見ていました。

あの日私がガンダムカフェで見た幻(妄想)。(死んだキャラの名前)は本当にガンダムカフェの厨房にいたのではないか。

コラボドリンクを求める客のためにひたすら涙を流していたのではないか。

だとしたらなんてひどいことを私はしてしまったんだろう。

 

その後私たちは、誰ともなしに良かった探しを始めました。

全員死んだわけじゃないし。とか。

世界は平和になりつつあるんだし。とか。

仇、打てたし。とか。

子供、いてよかった。とか。

 

しかし一周すると全員「なんで死んだ」という絶望感で涙するしかないこの地獄絵図。

あの眩いコラボレーションカフェの後にこんな地獄が待っていたなんて誰が予想できたでしょう。

 

最終回前に行ってよかった。最終回後に行ったら完全にお通夜でした。

 

 

写真は未来の自分へのメッセージである

昔の写真をみると懐かしさで笑みがこぼれるかもしれません。

私の場合、泣けてきました。

若かったころは綺麗だったのよと言う日が来るとは思えませんでした。

私はいわゆるスクールカーストでいう底辺にいまして、それでも同じ趣味の友達がいたおかげでほどほどに楽しい生活を送っていました。

真面目さだけが取り柄の生徒会長にはなれないけど学級委員長は任される一般的な女子、お察しいただけるかと思います。

 

それが退職を機にいただいたアルバムを観たら、可愛らしいお嬢さんが写っているではありませんか。

少なくとも今より二回り華奢なお嬢さんが写っていました。

 

タイムマシンがなくてよかった。

人は未来にしかいくことができませんから。

 

とりあえず今日からポケモンGO片手に1時間ウォーキングをしてきます。

ゲーム脳

風邪を引きました。二月の初めでした。固い鼻水とガラガラの声、熱が無いのに止まらない咳。それが二週間続きました。

ツイッターで勇者は何故若いのかという疑問に対して、「一晩寝ても疲れが取れるのは若いうちだけ」という大変説得力のあるつぶやきを見ました。

私も、健康だけは人一倍気を使っているつもりでした。

しかし三十路過ぎたあたりから、自分の身体があまり丈夫ではないと感じるようになりました。

状態異常が何ターンしても治らない。

ゲームの世界なら状態異常を一瞬で治してくれるアイテムがあるのに、悲しい。

「休めないときに」とか「しつこい風邪に」とか「あなたの風邪はどこから? 」とかで頑張れたのは二十代までです。

三十路すぎるともう無理です。

そんな時に、頭上にライフゲージが見えるような気がするんですよね。真っ赤なライフゲージが。朝は黄色なんですけど、夜には赤く残りわずかなライフゲージ。

よく「セーブしてやり直せばいいや」というのがゲーム脳だとテレビでは言ってますけど、ゲーム脳はそんなものではないです。

身体がギリギリの時に現実逃避する思考回路がゲーム脳なんです。

 

 

 

身分証明書にまつわる思い出

身分証明書というのでぱっと浮かぶのが運転免許証です。身分証明書の代名詞ともいっていいと思います。

今は昔、私がまだ花の女子高生だったころ、運転免許なるものは必要かと母に問うと「身分証明書になるからあったほうがいい」と言われました。

なるほど、レンタルビデオの会員証にも、携帯電話の契約にも、不在届を持って郵便局に行った時にも、身分証明書の提示を求められます。

自分が自分であることを証明するための方法として普及してきたこの手続き、勘合貿易を行っていた時から遥かに進歩してきてますね。

同時にそれだけ、他人になりすます犯罪が増加しているということでもあります。

 

そんな中、とあるブログで「何故免許証のコピーとられないといけないのか」ということを書かれているのを拝見しました。

確かに。レンタルビデオ店では身分証明書のコピーを取りますしau等の携帯電話会社でもイメージ保存されます。

 

個人情報漏えい事件が注目される昨今。不安に思われる方も多いのでしょう。

このイメージ保存やコピーって、場所によっては断ることもできるそうなんですが、手続きにその分時間がかかるんですよね。

なるべく利用者や契約者に時間をかけずに行おうとしている手順ですが、時間がかかってもいいからコピーしないでほしい、保存しないでほしいという人は「どうしても保存しないといけないのか」聞いてみても良いかと。時間がかかる、手続きが複雑になるけどコピーをとらなくていいですよと返ってくるかもしれません。

 

「本人が来たんだから身分証明書なんていらないだろう」と怒るのはお門違いです。

本人だと証明するのに必要なものなのです。

 

海外はよくこういった手続きは厳しいといいます。

私の実体験ですが、30過ぎてから海外旅行に行った際、リカーショップでビールを買おうとしたときパスポートプリーズと言われて、持っていないと答えると、ソーリーとにこりともせず言われてお酒を売ってもらえませんでした。

日本人は若く見られるといいますが、本当でした。